saeko "生成AI時代の言語論" 2026年5月10日

saeko
saeko
@saekyh
2026年5月10日
生成AI時代の言語論
読み応えがあった。筆者の大澤先生はAIに批判的なスタンスで、AIが行っている情報処理は人間の知能とは異なること、一方で我々がAIに主体的に隷属することで人間本来のクリエイティビティを手放し、かつ大規模言語モデルを所有するテック大企業が提供するデジタルな荘園の農奴となることで、世界の封建主義化が進み、経済格差の拡大が深刻化することに警鐘を鳴らす。 私も基本的には同様のスタンスではあるのだが、主張を正とするためのややバイアスがかかった情報を選択的に記載しているような感じも否めないので、それは少し意識しながら読むのがよさそう(そういう意味ではAI賛成派の松尾先生との対談を載せている点でバランスが取れていると言えるかも)。 AI活用がさかんに叫ばれる現代だけど、わたしはそこに喜びや価値はあまり感じていなくて、「新しい技術を使いこなさないと置いていかれる」という焦燥感にドライブされているのが気持ち悪いなあとずっと思っているので、わたしも基本的には批判的な立場。 この本の中で主張されている、AIにより自分の思考を言語化させることで、中動態の思考(自分で書いてみることで、自分ってこういうことを感じていたんだ、考えていたんだということに気づく)が奪われるという意見にはなるほどと思わさせられた。 前半の対談と後半の論文パートで主義主張が重なっている部分が大いにあるので、個人的には論文→インタビューの順番で読んだほうがすっと入ってきやすいかもと思った。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved