
Unununium
@Unununium_111
2026年5月11日

炎の人ゴッホ
アーヴィング・ストーン,
新庄哲夫
まだ読んでる
第四章~第五章読了。
親もとに戻ったヌエネン~テオと一緒に暮らしたパリ時代のゴッホ。30歳~34歳までの恋愛と名画「馬鈴薯を食べる人々」の誕生、印象派の若手画家との交流について描かれている。ここまでで600ページちょっと。今回もかなりボリューミーで濃厚だった。
【以下ネタバレ含む】
ヌエネンでは初めてゴッホを本気で好きになってくれた女性マルホットが現れる。お金持ちかつ、ゴッホの仕事も気質も理解してくれる素敵な女性なのに何故かシーンほども彼女を愛せないゴッホ…愛される喜びはあるものの彼女の強烈な愛情にどこか薄ら気味悪さを感じていて、今まで自分がアーシュラやケーに迫って彼女たちが逃げた気持ちが分かった場面では少し笑ってしまった笑
ただ、自分のこれまでの恋愛経験から愛を貰えない辛さは知っているので、彼女に優しくし愛そうと…結婚して共にいようと努力する。
しかし家族の強い反対にあい、結局マルホットは失望からゴッホの傍で服毒自殺をする…ボリナージュでの炭鉱夫たちを看病した経験から何とかマルホットは一命を取り留めるが、マルホットの家族から「ゴッホの
せいで彼女は自殺した!」と罵られ、村八分状態になる。心優しいカトリック教会の管理人から部屋を借りれたものの、また飢えと孤独の日々が始まる。
そんな中で農夫のデ・フロート一家と親しくなる。農夫の生活の日々を描くなかでも、評価される作品も自分の中で納得の行く作品も生まれなかった。その矢先、デ・フロート一家で特に親しくしていた十七歳の娘スティーンが妊娠する。カトリック教会の儀式長が相手なのだが、この不祥事を揉み消すために司祭はゴッホを犯人に仕立てようとする…即時ヌエネンを追い出されそうになったが、まだ農民の生活の真髄を描いた作品を生み出せていないため、約一ヶ月の猶予を得る。そこから自分にとっての『晩鐘』を作るため、毎日デ・フロート一家を訪れて制作に当たるねだが、その様子が鬼気迫っていて、時間との戦いもありハラハラドキドキしてかなり引き込まれる!
絵を描きはじめた時のピーテルセン師の言葉が伏線のように効いてきて、「馬鈴薯を食べる人々」が完成した時は感動した。
この絵は昔1度だけ見たことがあったが、その時は色も暗くて所謂ゴッホらしい感じじゃないし、「ふーん」と何となく見てしまっていた。このゴッホの制作の様子を知ったら見え方が変わってくるので、もう一度本物をみたい!
そこからパリへ移っての生活は、テオと共にいることもあり、これまでと比べると精神面も肉体面も満たされている感じが強い。最もセザンヌ、ゴーギャン、モネなど印象派の作品に衝撃を受けて自分のこれまでの年月を無駄だったと感じたり、印象派の鮮やかな透明な色を出せず落ち込んだり、自分らしさを見失ったりと挫折は続く。
これらはもちろんだが、その他でもゴッホの感情や行動のフォローで、テオの負担が大きすぎてテオが可哀想になってくる場面が多かった。
アンリ・ルソーやエミール・ゾラなど世界史で出てくる人物も多数出てきて、学生時代に読んでたら唯の人物名と作品の丸暗記に苦しまずに、一人の生きた人物としてリアルに記憶できたなぁと思った。
第五章は登場人物も多く、各々の作品や印象派そのもの、共産主義についての議論も多く、理解し切れてない点もあるように感じるので、また他の作品でこの時代の作品や考え方に触れてから再読したい。
次はいよいよアルル時代なので楽しみ!!


