へみんぐ "方舟" 2026年5月13日

方舟
方舟
Audible Studios,
夕木春央,
山内璃久亜
ある地下空間へ興味本位で訪れた男女グループ内で殺人が起こり、同時に脱出するには1人を犠牲にしなくてはならないという状況に加え水没というタイムリミットが存在する極限状態での犯人探しが始まる。 大学時代の仲良しグループかと思われた面々だったが、異常な出来事の連続で徐々に軋轢が露わになっていく様子は極限状態での人間という生き物はかくも脆いものなんだなと感じさせられました。 以下、ネタバレ注意。 ↓ ミステリー小説を読む時は、ほぼ推理出来ずに読み終わるタイプですが、本作のラストには衝撃でした。まさに大どんでん返しという言葉が相応しいミステリーです。 特に翔太郎という1人だけ毛色の違うキャラクターが混ざっており、不思議だなぁと思っていましたが推理役として客観的な立場を持ち、論理的な考え方を持っているその頼り甲斐のありすぎる存在に大抵の読者はミスリードされてしまうだろうなと思いました。私自身すっかり騙されてしまいましたが、とても面白く聴かせていただきました。 ところで麻衣の動機はやはり殺したいほど夫の事が憎かったからなのでしょうか。作中で独身と妻帯者を比べると独身の方が生きる価値は低いのかどうかを議論する場面がありましたが彼女は殺人者には生きる価値があるのかどうかを葛藤していたのか、それともただ柊一の気を惹きたかったのか…後者だとしたらとても恐ろしいものです。 助かるのは実は最大2人という状況が彼女を冷静な殺人鬼へと染め上げたのか…それとも元々の性格なのか…最後まで容疑者と思わなかったからこそ彼女の真意はとても気になりました。
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