むくげ "改訂完全版 異邦の騎士" 2026年5月14日

改訂完全版 異邦の騎士
作品の大部分を登場人物たちのドラマ(もしくはサスペンス)として読んだ。トリックによって展開が二転三転するわけだが、どの部分にも悲壮感があり、沈痛な気持ちを何重にも味わうことになった。 御手洗がある登場人物を呼ぶ際に、「◯◯ちゃん」であったのが「◯◯君」に切り替わったところが印象的。まさしく解答編ということなのだろうか。最後に手紙で犯人視点の心情が吐露される点が『占星術殺人事件』と同様で、踏襲されているのかもしれないと感じた。 重々しい心で読んだが、果たして作中に描かれていた離別の悲しみや絶望を真に共感できる日は訪れるだろうか。訪れてほしくはないが、そうもいかないのだろう。
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