"θは遊んでくれたよ ANOT..." 2026年5月14日

@s_ota92
2026年5月14日
θは遊んでくれたよ ANOTHER PLAYMATE θ
p20 「男性の方は額に、女性の方は手のひらに、θが書かれていた。」 p28 「大きさは五センチ程度で、ギリシャ文字のθに似た形だった。」 p52 「そもそも、国枝にとっては、なにものも珍しくない、ということもありえる。」 p62 「「私は、赤柳と申します。」」 p76 「しかも、そのURLの中に、≪theta≫というスペルを発見したとき、舟元の心臓はやや大きく打った。」 p76 「葉っぱは見られ、鳥は死なない。」 p87 「「PHENIXの六文字が普通だが、PHOENIXの七文字もある。アメリカは後者が多い。」」 p100 「「名前がない?」」 p111 「それは、ギリシャ文字のθだった。」 p140 「「自殺を止めなければならない、という大いなる動機から、原因といえるかもしれないカルト集団に踏み込む選択もありえるだろうけれど、それは彼らの権利に対する侵害である、という立場もまた、成熟した社会ならば当然存在する。」」 p163 「生きているかぎりは、みんな食べている。せいぜいが、自分の好きなものを選ぶくらいの自由しかないのである。」 p192 「「あれは、隣の病棟の方だったわね。懐かしいなぁ。あのときって、ラヴちゃん、何してたんだっけ。」」 p197 「けれど、そういった危うさが、そもそもこの友人にはある。昔からあった。いくら明るく振る舞っていても、いつでもふっと消えてしまいそうな脆さで、西之園萌絵はできているのだ。反町はそれを充分に知っている。」 p199 「「つまり、宗教的ってことになるかな。宗教って、どうして人の命をあんなに軽く扱うのかって考えたことがあるけれど。」「それはそうでしょう。死の恐怖から人を救うために存在する仕組みなんだから、当然ながら、命の軽さを主張する論理になるんじゃない?」」 p200 「「どうしましょう。これが、五年まえだったら、全然迷わなかったと思うわ。そんなことを言われるだけで嬉しくて涙が出たかも。はい、死にますって、絶対に頷いただろうなあ。でも今は、どうかしら。こういうのって、愛情の問題だと思っていたけれど、違うのね。どうしてこんなにクールになっちゃったのかしら。」」 p207 「θの一文字。」 p214 「否、それよりも……、単純なことだが、命は消えない方が良い。絶対にその方が、嬉しい。」 p228 「「見えるものは、すべて幻想だ。」」 p232 「「一番大事な十一個だと思いません?」」 p237 「「いずれにしても、本質ではない。宗教という形態自体が、メディアだからね。」「どういうことですか?」「神様が必要となる理由は、基本的には責任転嫁のメカニズムなんだ。誰か他者のせいにする。そうすることで、自分の立ち位置を保持する、というだけのこと。」」 p238 「「自殺したりするのは、どうなのです?」「神様がいてもいなくても自殺はある。人間として、本質的に選択可能な行為だからね。ただ、神様という記号によって、解釈しようと試みる、言い訳を作ろうと試みる、あるいは逆に、その解釈と言い訳によって、自殺を思いとどまらせる、という使用法もある。それだけ。」「本質的に選択可能なのは、どうしてですか?」「人の知性が高まったことで、生命維持活動から自身を切り離すことができた結果によるものだろうね。」「では、賢いから自殺するのですか?」「ある意味ではそのとおり。未来予測の能力が前提だ。」」 p244 「「保呂草さんですか?私です。」」 p250 「「真賀田四季。」」 p254 「反町の彼氏はしかし、勤務地が関東地方のため、滅多に会えないようである。」 p254 「「うん、あんたは、そう……、友達思いだもの。」 「ふうん。よくわからないけれど。つまり、愛情とは別なのね。」」 p256 「「何が正しいかはわかっとるつもりだよ。ほんでもね、世の中、正しいことが真っ直ぐに通らないことが多いんだ。そんな単純じゃないからなあ……。」」 p259 「「金子君、どうしてる?」国枝がきいた。」 p273 「「シータは遊んでくれたよ。」」 p280 「「うん、あんたに言えば、解決してくれるかなって、思ったのかも……、いや、違うな。たぶん、自分の中だけに仕舞っておけなかったんだ。とにかくその時点で、既に判断はついていたってことか……、うん。」」 p304 「「これ以上仮説を重ねても、意味はない。現実からどんどん遠ざかる。理解するために、ある程度の空想は必要かもしれませんが、しかし、現実をねじ曲げてまで理屈をつけたところで、得られるものなんて、安っぽい同情くらいが関の山です。あるいは、犯罪者がいかに自分たちから遠いところにいるのか、という理屈を躍起になってこじつけ合う、そんな群衆心理がうんざりするほど観察されるだけです。」」 p309 「「ラヴちゃんが教えてくれた郡司先生の秘密は、もちろん話していない。だからその意味では、海月君よりも、少ない情報で、しかも一歩早く、犀川先生は気づかれたわけ。五人めの自殺が、あまりにもこれまでと違っている、という切り口だったみたい。」」 p310 「「リベンジだ!」西之園が叫んだ。」 p313 「物理的な証拠が、仮説を少しずつ揺るぎないものにしていくだろう。事実とはこうしてあとから形成されるものだ。しかし、人の心の中の、そのときどきの葛藤は、二度と正確に再現されることはない。たとえ、本人の口が語ったとしても、その言葉は明らかに虚構である。理由も動機もすべて、光が当てられたときに現れる影に過ぎない。光の当て方によっては、影はどちらにも現れ、価値の歪み方も変わり、幾つもが同時に現れることさえある。そんなのものなのだ。ただ、それがあった、存在していた、ということを仄めかしているにすぎない。人が事実と認識している概念は、その程度のものだ。あるいは、ないに等しい、といっても良いだろう。それなのに、皆、この影に縋りつき、影に纏いつこうとする。影を憎み、影を恨むのである。」
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved