はな "アンデル3 小さな文芸誌" 2026年5月17日

はな
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@hana-hitsuji05
2026年5月17日
アンデル3 小さな文芸誌
・針と糸と布と 東直子 私が子どもの頃、母も手芸ばかりしていた記憶。セーターを編んだり、布で猫のぬいぐるみを作ったり、パンを焼いたりしていた時期もあった。 一度考え事をすると、それが頭の中でずっとぐるぐる水族館の魚みたいに回り続けるので、それを止める方法として読書があって、時々編み物もしていた。 それらに没頭することで、考えたくないことを一旦脇にどけて、無心になったり達成感や他のことを考えるきっかけになるのが良かった。 「意地になってる」と言った作者の姉の言葉を読んで、無心になってやっていることを一度だけ止められたことがあったなと思い出す。 ただ集中しているだけのつもりだったのに、それを見ていた人には違う様子が感じられたのは面白いことだった。 「ちぎれるから好きなのでしょう綿雲や羽根や手紙や遠い歌声」 言葉の形見、記憶の形見、仕草や観念にも形見は宿る気がする。 ・干し芋フォーエバー 芹沢央 教育の一環で、洋菓子的なお菓子やおやつを禁じられていた未就学児時代。その反動でチョコレートやクッキーの大好きな10代になる。干し芋や黒糖や煎餅なんかちっともそそられなかった。 巡り巡って、押し付けがましくない控えめな甘さの良さに戻ってくると、暮らしていたマンションの窓から見えるはためく洗濯物の先の青空とか、その時 手に持っていた食パンの耳を揚げて砂糖をまぶしたおやつなんかのことを思い出す。 地味で安価な食べ物なのに、あたたかい記憶というものはどうしていつもこんな風に鮮度が落ちないのか。 気づいていない時も含めて、すごくつらいことがあっても、そういう記憶の断片がより集まって踏ん張って自分のことを助けてくれた気がする。 ・はりー ときどき ぱりへ行く はらだ有彩 中庭の壁に絵画を飾るっていう発想を、初めて見た。幾つになっても初めて見聞きすることがドアの前にずらりと並んで順番待ちしている。 ・九万円のボーナス ひらいめぐみ 寸志や ふいの臨時収入って、何を買うかワクワクしているところにまとまって出費する羽目になることが多く、あぁこれがあるから私を助けるためにお金が近づいてきてくれたのか…と思うことがある。 結局欲しいものを買う前に、突発の出費で消えていく。プラマイ0で痛みは少ないから助かるんだけども。 ・桜の恋 最果タヒ 詩を書いても茶化されない世界に行きたい。 本当にその時頭の上から降ってきた言葉を真面目に書き留めているのに、後から読み返したら自分でもなんだか変だな〜と思うこともあるし、日頃こんなこと考えてるの?そんなこと、考えたこともない!と笑われることもある。
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