
ヨシチュ
@ysmcmam
2026年5月17日
ハンチバック
市川沙央
読み終わった
Kindle
飽きて放置してたほぼ日カズンに書いてあったハンチバックの感想を残しておく。
芥川賞とかで読む本を決めないどころかホラー以外の小説を滅多に読まないんだけど、ふと見かけた「紙派派呑気でいいね笑」みたいな文章に共感すぎて購入した。
私本当にきらいなんですよ、インクのにおいやらページをめくる感覚が好きだから紙で本を読むとかかっこつけるやつ。わかってますよ。装丁に凝っていてコレクションしたいとか、ブツであったほうが記憶に残りやすいとか、読書に集中しやすいとか紙の本特有の魅力があることやそこにこだわりを見出すひとを否定しているわけではなく。いやでもインクとかページをめくる感覚が「好き」ってなんだよ。それ電子書籍という概念ができる前から考えてた?インクのにおいクンカクンカしとったんか?ページをめくるたびに気持ちえ〜〜てなってた?後付けだろ。
いまでこそだいぶ電子書籍が進出しているけど、最初ではじめたころはみんなこぞってインクのにおいとかページをめくるとかなんとか言ってて、バカみたいと思ってた。何千冊もを持ち運べることや検索のしやすさその他諸々とを並べたとき、インクのにおいってそこまで大威張りで主張できるほどの魅力なのか?
もちろん本書ではそういうことを言いたいわけではなく、身体の障害のため本を読むのに一苦労する主人公が、本に書かれた情報を得るという行為に「インクのにおい」やら「ページをめくる感覚」のような情緒的な楽しみかたを何不自由なくできる(どころかあまつさえ「それこそが読書の魅力だ」と語る傲慢な)健常者をまあ・・‥言い方はあれだけど小馬鹿にするようなシーンですね。




ヨシチュ
@ysmcmam
以下、少し性的表現がある
健常者と障害者(今回だと自立できない身体障害者)だと、選択できる自由の幅が違う。最初は読書の話をした。衣食住や学校に通うこと、職業選択、恋愛、性行為など。
身体を自由にうごかせない主人公が下品な雑誌に下品な記事を投稿してお金を稼ぐ(執筆中に濡れた膣を拭う)とか、ネットで好き勝手言ってヘイトを買うとか、おおよそフィクションで描かれる障害者としてはやけに生々しいというか。障害者は性とは遠いもの・善良であるみたいなバイアスを刺激させるような描写がいやらしい。

ヨシチュ
@ysmcmam
ここ少し不快になる表現かも ごめんね。
「妊娠して中絶がしたい」「母親が障害者を産まない選択をするなら、障害者が子(健常者)をおろす選択も受け入れられるはず」
ここハッとさせられた。健常者と障害者を平等とするならば、上記は成り立たなければおかしい。それは、そう。
いつだって奪われる側であること、そうありたくないと思い生まれる「妊娠して中絶がしたい(彼女の身体的に挿入を伴う性行為も出産も不可能)」という抵抗の言葉によって命を奪われた子(健常者)が、果たしているのだろうか。いたとして、「子(障害者)が障害で苦労するくらいなら」という親のエゴで奪われる命とどちらが多いのか。
この主張で気分を害すひとはもちろんいると思うしこの言葉がいいか悪いかって言ったらあたりまえにダメだし最低だと思うけど、不快になるひとは少なくともこの本を最後まで読むことができる身体であったり金銭であったり環境であったりするので、障害者の女性の「妊娠して中絶がしたい」という言葉に直接的(あくまで直接的なね)な暴力性を抱かずに済む立場というか‥‥。でも先天性の障害者は、産まれる前からつねに他人になにもかも(生殺なんたらの権みたいな)を握られてて、それと天秤にかけたとき上記の言葉をただひどい最低な主張と片していいのか、ともおもう。

ヨシチュ
@ysmcmam
「障害者」の「害」をひらがなで書く風潮があるけど、最近読んだ本だとどれも「『害』という言葉を良しとしないのは、障害が個人に帰属するものだと考えているから」と買いてあり、納得と賛同と、自戒をこめてわたしは障害者と表記しています。
障害者が普通に生活してるなかで、何十回何百回と「すみません」と言わずにすむようになるといいと思う。めちゃくちゃ難しそうだけど。