"εに誓って SWEARING..." 2026年5月17日

@s_ota92
2026年5月17日
εに誓って SWEARING ON SOLEMN ε
p22 「イプシロンに誓って。」 p31 「こんなに近い位置に他人がいるなんて……、自分以外の生命、思考力を持った頭脳が、存在するなんて……、その不思議さを、その不安さを、感じないなんて変だ。」 p32 「みんな死んじまえ。できることなら、そうしたいところだけれど、でも、それよりも、自分だけが消えてしまう方がずっと簡単だ。そう、それが一番綺麗だよね、と思う。」 p33 「そうか、情けないものだな、生命とは。たった一つきりの肉体に偶然にも支配され、この危ういシステムの中でしか生きられないのだ。」 p56 「「はあ……。」諏訪野は訝しげに頷いた。しかし、いつも訝しげな顔なのである。」 p68 「押しつけてくるもの、つまり圧力を伴う情報さえ排除すれば良い。必要なものは自分から取りにいけば良いのだ。向こうから入ってこようとするものに、ろくなものはない。」 p70 「幸せじゃないか。そうだ、自分は、自由。これからも、ずっと……。」 p90 「このなにもない空間には、なぜか不思議な自由があるように思える。それはつまり、誰も邪魔をしない、というシールドにも似たイメージのためだろう。」 p99 「しかし、今すべきことはなにも見つからない。多くの場合、思考が導く結論を吟味したあとには、必ずこの台詞を聞くことになる。たしかにそのとおりだ、しかし、今すべきこと、今できることは、なにもない。」 p111 「言語で事態を評価したところで、なんの解決にもならないのだから。」 p113 「「ある一人の天才がいて、その人物が考えるとおりに歴史を動かそうとしている。それが、その人物にとっての理想の形なのかもしれない。」」 p114 「「知るという行為は、情報を自分のものにする。それは明らかに、ある種の支配です。」」 p124 「できれば、誰にも会わずに、一人だけで生きたい。」 p126 「あるいは、この現実、この世界にいる自分の肉体も、もう無関係だ。それは既に僕ではない。抜け殻だ。」 p134 「「しかし、社会を恨んでいる、日本という国家を恨んでいる、人間のすべてを恨んでいる、幸せな状態を恨んでいる、自分以外のものすべてを恨んでいる……。なんだって言えます。言葉にすれば、どんなものも理由にできる。そうすれば、どんなに不可思議なものではあっても、社会はとりあえずは納得してくれる。少なくとも、動機という空欄を埋めて、ファイルを片付けることができるというわけです。」」 p136 「「テロや戦争においても、それはまったく同じです。人は、言葉で解釈し、その言葉で怒りを覚える。こうして怒りを煽り、人を動かして、戦いを始める。あるいは、自分さえも、その言葉に酔ってしまう。」」 p148 「たとえば、≪φは壊れたね≫だ。これが最初だった。このときは、特にこの言葉に意味があるとは思わなかった。そして、二つ目は≪θ≫だ。そういえば、≪θは遊んでくれた≫というフレーズがメールにあったらしい。たしか、そう、そんな感じだった。そして、ついこのまえは、≪τになるまで待って≫というラジオドラマである。」 p155 「とにかく、自分だけは汚れたくない。汚くなるまえに、ここから立ち去りたい。なにもかも縁を切ってしまいたい。このゴミのような偽善が集まった世界から。」 p159 「ものごとはどんなものでも、元には戻らない。それが生きてきて学んだことだ。大人は子供には戻れない。それと同じ。いわば、毎日小さく死んでいるようなものなのだ。」 p163 「そう、たとえば、本を読んでみると、良いことが書いてあったりする。だから、わかっている人はいるんだ。でも、私の周りには、そんなのが全然ない。どうしてだろうか?甘えているからではないと思う。ちゃんと、一人で生きてきたのだ。誰にも助けてもらわずに、生きてきたけれど、ただ、もう疲れた。嫌になった。なにも楽しいことがないのだから。」 p200 「目的か……。そうだな、死ぬための目的を探していたのかもしれない。たとえば、愛する人がいて、その人が突然死んでしまったら、自分には死ぬ目的がある、と思えるだろうか。」 p200 「そもそも人間って、誰だって期限付きなのに。永遠に生きる奴も、永遠につき合う友人も、いないのに。優しさというものが、どういうものなのか、最近までわからなかった。それは、つまり、どうせ将来はないのだから、今を大切にしよう、という気持ちのことだ。」 p204 「みんながみんな、眠っている夜が一番好きだった。宇宙みたいで。死滅した宇宙みたいで。」 p218 「「客観的になりますが、人の命がそれほど高いものだとは、少なくとも僕は認識していません。事実、歴史を見ても、国家的判断を見ても、それは明らかです。」」 p220 「「狙撃させます。」犀川は即答した。」 p229 「「さあね……、でも、たぶんそれは、殺したいという気持ちがあるからだと思うな。破壊したい、むちゃくちゃにしたい、そういう感情が人間にはある。それがいけないことだ、という社会的観念が、こんなにも強固に作られたことが、裏返せば、その純粋感情の存在を証明していると思う。人間は理由があるから殺すんじゃない、殺すための理由を探すんだよ。」」 p240 「人のことはわからない。こうと決めたら、人間って案外、軌道修正をしないものだ。最後まで諦めない、ということはあまりない、ずっと手前で諦めてしまうものだ。」 p240 「そう、目の前の快楽を求めていると思い込んでいるけれど、実は、目の前の辛苦から逃れているだけのこと。ようするにただ、生きていたい、それだけが望みなのだ。」 p243 「二人が存在するのではない、二人の関係が存在するだけだ。そう教えられたではないか。」 p248 「だんだん勇気がわいてきた。力を。願わくば、最後の力を。手を握り締め、呟き、祈る。きよし、ねがい、みたま、あおぎ、すずし、うつくし、みてを、われに。」 p252 「そう、起きたのだ、自分は。どこから起きたのだろう?どこへ起きたのだろう?」 p256 「音も聞こえなくなって。色も失われ、光も失われ。暗闇の中へ沈んでいき。匂いも消え。感覚も遠ざかり。すべてが薄れていく。」 p267 「ただ。泣いているだけです。泣いているだけなんです。生きているから、泣いているんです。もう泣きなくないから、死のうと思ったのに。また泣くことを選んでしまった。だから、みんなの分も、涙が流れるのか。どうか……、もう、泣かなくて良いところへ、お導き下さい。神様。お願いです。」 p270 「意図的にもたらされたごく限られた情報、警察の態度、テレビのレポートなどから、おおよその真相は理解できた。この事件で最も騙されたのは、犯人だろう。トリック、という言葉も思いついた。それは、西之園萌絵がよく口にしていたフレーズだ。そう、彼女はどうしているだろうか。」 p271 「それでも、こういった静かな時間にじっと深い空間へ入っていくことは、貴重といえば貴重。無駄といえば無駄。このように評価できないことこそ、自由の特徴だろう。」 p271 「その自由の深淵には必ずあの女性がいる。天才と呼ばれるあの人だ。」 p272 「「そう、生と死の狭間が美しい。その境界だけが、朝日や夕日のように特別に輝く。」」 p273 「「わからないから美しいのよ。生きてしまえば、ただの生きもの、死んでしまえば、ただの物体。でも、そのどちらでもないものがあるのです。それが作り出せる。私にはそれができる。」」 p284 「「では、警察がトリックを仕掛けたのですね?」」 p305 「だけど、死のうと考えることは、きっと自由なのだ。それを考えられることは、人間の尊厳の一部。 考えても良い。考えるべきなのだ。そして、考えても死なないことに、価値があるのではないか。結果として、死ななかったことに、価値があるのではないか。」 p306 「考えるだけで、涙が出るのは、どうしてだろう。生きている、という喜びではない。死に直面した、という恐れでもない。悲しみでもない。寂しさでもない。どうして、涙が流れるのだろう。だけど、涙が流れることは、とても気持ちがよかった。少しだけ、なにかが綺麗になるような気がするから。流される。小さな疑問、小さな欺瞞、小さな偽り、小さな誇り、いろいろなものが流されていく。それが清々しい。」 p307 「良かったのだろうか。その疑問に、答はない。きっとないだろう。問題を先送りにすること、それが生きるということだ。とにかく、今は死ななかった、それだけのことだ。なのに、涙が出る。変だな。本当に不思議だ。」
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