
巽
@Tatumi
2026年5月18日

離れ島: 石川美南歌集
石川美南
夜になれば移動する木々(まづは根を)(つづいて幹を)国境へと
最後尾は一万年待ち 謁見の叶はぬままに幾世代経ぬ
口移しで分け与へたし王国のさみしい領土浅き領海
(外は風)待たぬためではなかつたか「返信不要」と書き添へたるは
君の残す全てが手がかりのやうで落ち着け、これはただの指紋だ
酸の人アルカリの人向き合ひて水を飲むなり激論ののち
鳩に礼、冬空に礼、これからは寂しがらずに生きると誓ふ
語ることが何もないなら幽霊の資格はないと、静かに雨は
熱はない。あなたの額から指を離す、プールの靖蛤みたいに