
巽
@Tatumi
BLと短歌とファンタジー
- 2025年8月27日村木道彦歌集村木道彦思想なき声ゆえ澄みて透れるをゆうぐれひくくとりわたるなり フランシーヌのようにひとりであるけれどさらにひとりになりたくて なつ おぼろおぼろひざしはあわくくれがたを 転落ということばありけり なつ真夏葉月八月ガラス越し玉の緒のごと蛙を見たり 過ぎゆきてふたたびかえらざるものを なのはなばたけ なのはなの はな 愛恋や憎悪やいずれともかくも激しき視線もてわれを射よ すてしこと それよりにがきすてられしこともあんずの花さけるころ ややよごれているガラスごしみはるかす金のむぎばた 銀の憂愁 にみはきみばかりを愛しぼくはぼくばかりのおもいに逢う星の夜 ふかづめの手をポケットにづんといれ みづのしたたるやうなゆふぐれ すふだろう ぼくをすててるものがたりマシュマロくちにほおばりながら めをほそめみるものなべてあやうきか あやうし緋色の一脚の椅子
- 2025年8月24日
- 2025年8月24日ババンババンバンバンパイア 2奥嶋ひろまさ
- 2025年8月24日ババンババンバンバンパイア 1奥嶋ひろまさ
- 2025年8月24日とるにたらないものもの江國香織読み終わった
- 2025年8月23日
- 2025年8月20日異類婚姻譚本谷有希子めっちゃおもしろい 本棚のカフカの「変身」の隣に並べたい 主人公がベッドから起き上がれなくなった状態を虫になっていたと表現することで鬱や不登校や引きこもりなどいつの時代も変わらない普遍的な問題と代替可能にした傑作と同じ構造をしている。 安易に楽観的な筋書きにせずに、虫になったことで起こる家族の変容を描き切る冷えた眼差しも近い。 解説にあるサンショの比喩が指しているものの指摘が鋭い 旦那が痰を捨てたことを自分のことのようにあやまり、人に指摘されるまで確かに私はそれを自分が吐いた痰のように感じていた、と気づくとこゾッとする 二人の人間が一つに溶けていく様をこんな上手く表現できることあるんだ…
- 2025年8月18日NO.6[ナンバーシックス]再会#1あさのあつこ,toi8読み終わった
- 2025年8月16日読み終わった旭日旗から目をそむけ下を向くUVがものすごそうだから 川元ゆう子 抱かれる前に見ていた彗星は帝王切開の刃のひかり 鈴木美紀子 スライドの前に立つなよ白妙のシャツが数字を歪ませて夏 ぃぃ 絵日記をのこさず山羊が食べたので山羊を連れてく九月一日 関根裕治 母の古い読書日記に「クリスティは美男か美女が犯人」とあり 原田 シーソーが砂場になった公園にどうせどこかで死ぬ子どもたち 鴨居沙衣 犯人は朝のコップを洗い終え、その時はまだ犯人でなく 鈴木晴香 蒟蒻を知らずに過ごし12年私は生きた母の領土に シラソ 何も無い男の胸を切り裂けばペプシコーラの飛沫飛び散る 田中齋 ベルが鳴る 顔見合わせて人間に近い姿の方が出てゆく 羊亥ハジメ 先輩が道の説明すゆときの要所要所にあるパチンコ屋 たろりずむ 人の家の犬を撫でるといいことがあるのだろうか、あなたは撫でる 鈴木晴香 カラスの子歌と絵本の中でしか見ない透明なのだと思う 音平まど
- 2025年8月15日メゾティント藤井あかり読み終わった沈丁や隣に眠る人の夢 寒禽の一声をもて突き放す 立ち止まる人の影濃し寒菫 まばたきの果の眠りや花芙蓉 息白く我より長く生きろと言ふ 草取の何も寄せつけない背中 花野への道を教へてもらわねば 万の手の一つを握り花野ゆく
- 2025年8月15日はじめての近現代短歌史高良真実,髙良真実読み終わった
- 2025年8月9日光るリム千石英世
- 2025年8月9日恋する食卓末広マチ,樋口美沙緒
- 2025年7月18日崖にて北山あさひいちめんのたんぽぽ畑に呆けていたい結婚を一人でしたい 八月十五日 お家三件分くらいの夕焼け雲 なんなんだ たくさんの菊たくさんの無視いつも八月十五日がこわかった 家族というコントを終えてお母さん役お父さん役を終えたり 紫陽花のひとつひとつが夏の脳 考えて、答えを考えて 「北山さん医療資格ないんだ」と斜めに言われ「ねぇよ」と思う 服を着ても少し震えているチワワどこへ行くのだろう旧姓は 群青の胸を開いて空はあるかけがえないよさみしいことも ともだちを旧姓で呼ぶともだちがちゃんと振り返る 蚊だよ 南洋の戦記の栞紐は青 生きているから嘔吐している ロマンチック・ラブ・イデオロギー吹雪から猛吹雪になるところがきれい 年金がほしいよ鳩を追いかけて くっくく・くっく 地獄すれすれ これからもずっと人間 さびしくて私は不死身の杉本が好き 北海道全域大停電であるほっかいどうらしくて泣いちゃうぞ 元気とはちがう力で生き延びる そうだね不死身の杉本佐一 三人は産めと言われて ふわふわのたまご蒸しパンこの中で暮らそ くちづける猫のあたまの小ささよ悲しいことはヒトの領分 ほしひとつぶ口内炎のように燃ゆ〈生きづらさ〉などふつうのテーマ 蛾、それから角の潰れたボルヴィックたった一つの夜を飾りぬ 寝て起きて麦茶をのんでまた眠るがんばりたい人だけがんばって 好き かっこいい 憧れる 歌集コーナーだけじゃなくて、プロレタリア文学、フェミニズム、反戦、地方問題、それぞれの棚に置いてほしい
- 2025年7月9日
- 2025年6月24日カフカ俳句フランツ・カフカ,頭木弘樹読み終わった「本には、悲しんでいる人を助ける気持ちなんか、ちっともないとしても、本を読んでいる間は、ぼくは本にしっかりすがりついていられる」カフカ 「芸術は悲鳴のようなものだと萩原朔太郎は言っていますね。『その悲鳴が第三者にきかれたときその人間の生命が救われるのです』と。」 「左手に右手が突如かぶりつく」阿部青蛙 「或る闇は蟲の形をして哭けり」河原枇杷男 「双頭の蛇の如くに生き悩み」野見山朱鳥
- 2025年6月16日KOZAKAIZM小坂井大輔ザ・ビートルズですら解散したんだし虹のふもとに自転車で行く エンドロールの後におまけの映像はあるのか未来をぼんやりと待つ 断面がハートの形の青葱が止めどなく来てなんだ貴様ら たましいのレベルが3つ下の人とカフェで老後について語った 放置しとけば忘れていくっしょ国民はなんて思ってますよ議員は 推しにもう推さんとってと手を合わせお願いされるレベルまできた 人生を要約すれば腕のいい歯医者を探す旅となります
- 2025年6月7日行け広野へと服部真里子再読三月の真っただ中に落ちてゆく雲雀、あるいは光の溺死 終電ののちのホームに見上げれば月はスケートリンクの匂い なにげなく掴んだ指に冷たくて手すりを夏の骨と思えり 夜の渡河 美しいものの掌が私の耳を塞いでくれる 花曇り 両手に鈴を持たされてそのまま困っているような人 春だねと言えば名前を呼ばれたと思った犬が近寄ってくる 野ざらしで吹きっさらしの肺である戦って勝つために生まれた キング・オブ・キングス 死への歩みでも踵から金の砂をこぼして 冬晴れのひと日をほしいままにするトランペットは冬の権力 ひとごろしの道具のように立っている冬の噴水 冬の恋人 執拗に赤子の性器たしかめる仕草でコーヒースプーンを拭く 感覚はいつも静かだ柿むけば初めてそれが怒りと分かる 封筒のおかあさんへという文字の所在なく身をよじっている夜 感情を問えばわずかにうつむいてこの湖の深さなど言う 櫂を漕ぐ手に手を添えて炎暑から残暑へ君を押しやる力 こときれて真珠をこぼす首飾り春が終わるまで遊んでおいで 酸漿のひとつひとつを指さしてあれはともし火 すべて標的 草原を梳いてやまない風の指あなたが行けと言うなら行こう かっこいい
- 2025年6月6日
- 2025年6月6日
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