
mayu
@yatsu_books
2026年5月17日
海風クラブ
三浦裕子,
呉明益
読み終わった
@ 自宅
大勢の登場人物が入れ替わり立ち替わり目まぐるしく語る中で、この物語の主人公を誰か一人に絞れと言われたら、それは物語の舞台「海豊村」だろうと思います。
「海豊村」のモデルは台湾東部の和平村であり、実際に起きたセメント工場建設と自然破壊反対活動、不可逆的な生活の変化が書かれている。
登場人物は山に住む伝説の巨人も含めて、台湾の抱える複雑な問題をそれぞれに代弁するように、
狩猟を中心に暮らしていたが開発計画のために土地を手放す原住民族、工場建設による人の流入を狙い商売を目論む漢人、
土地開発に反対する旗振りを務める大学出の漢人と、生まれも育ちも異なる人々が村を中心に集い、人の呼吸を通じて山と海に抱かれる。
「自然の環境では、天災に遭うことで再生が始まる」
どんなに人間があがいても自然の力に勝るものはないということを改めて気付かされる、そんな物語。
呉明益の作り出す世界観に魅了されました。幻想的で神話的、なぜか落ち着くこの空気感と心地良い文体が心に響きます。
今回の表紙画も呉明益によるもの。あとがきでルドンの絵をオマージュというか、倣って描いたものだと知りました。
表紙からは冒険ファンタジー的なものを想像していたけれど全然違った。








