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@yatsu_books
北アルプスの麓の大町のシェア型本棚の棚主 本とコーヒーと、時どき山
  • 2026年3月15日
    世界最高の辞典を作った名もなき人びと
    世界最高の辞典を作った名もなき人びと
    以前読んだ『博士と狂人』にも書かれていたけど、出来上がるまでのその過程が、ダイナミックに更に面白く描き出されています。 150年ほど昔、参考となるような辞書がまったくどこにも存在しなかった時代に、全てのことばをその歴史も含め、用法がよくわかる文例を入れた辞書を作ろうとOEDの編纂が始まり、すべてのことばを網羅するためにどのような手法を使ったのか、この道のりを読んでいるだけでも静かな興奮を覚えます。
    世界最高の辞典を作った名もなき人びと
  • 2026年3月9日
    ガウディの伝言
    没後100年の節目に合わた展示『NAKED meets ガウディ展』に行ってきました。 展示からガウディ建築の”形”としての魅力を味わうことはできたけど、それだけでは不十分と感じ、日本人として初めてサグラダ・ファミリアの彫刻に携わった外尾悦郎さんの本書を読みました。 ガウディの意志を継承し、わからない部分は手探りで探っていくところがとてもおもしろく、長年、現場で石と対話してきた外尾さんの言葉には、単なる解説書にはない圧倒的な説得力があります。知っているようで知らなかったガウディの素顔を映し出す、まさに「時を超えた手紙」のような存在だと感じました。
    ガウディの伝言
  • 2026年3月7日
    科学する心
    科学する心
    科学エッセイ?というのかな。読んでいてとても楽しかった。紹介されている本も面白そうなのがたくさんあって、色々広がりそうです。 当たり前だけど「同じものを見ても、全く同じに見えるわけではない。同じ感覚・感情を抱くわけではない」ということを改めて考えていました。扱う科学はいろいろで、虫や日時計や気候や進化、その他いろいろ。写真や図版も多いし、内容は最新の知見ってわけじゃないので知っていることも多かったけれど、文筆家のフィルターを通して見る科学は、私の見え方とちょっと違う面もある。それがとても楽しい。 「科学は五感をもって自然に向き合う姿勢」、これこそ科学の原点だと感じました。
    科学する心
  • 2026年2月28日
    3月の本 (12か月の本)
    3月の本 (12か月の本)
    昨年から読みはじめた本、『12カ月の本』も『3月の本』をもって最後となりました。 文豪だけではなく、画家などの随筆もなかなか読むことがないので、かなり豊かなセレクションだったと思います。本当!楽しかった。 それにしても、この豊かな色使い!並べても絵になる。
    3月の本 (12か月の本)
  • 2026年2月24日
    二月のつぎに七月が
    700ページを超える大作。毎日少しずつ、読み終えるのに1ヶ月ほどかかったけれど、心豊かになる時間でした。 鉤かっこがないので時々誰の視点なのか、曖昧なままで語りが進んでいくこともあるけど、それが何の違和感もなく風景に溶け込み、これは小説なのだけれど、目に見えるものだけではなく、匂いや手触りなどが感じ取れるくらい詳細な文章も 読んでいる途中なんども「エッセイだっけ?」と思ってしまうほどでした。 めまぐるしいこの時代に過去と今が溶け合っていくことで、凝り固まった何かから解放されていくような、そんな気持になりました。「人間が人生で抱える哀歓」を書いてきたという堀江敏幸さんの文章が、今回もじんわりと染み渡っていくようでした。
    二月のつぎに七月が
  • 2026年2月21日
    光と糸
    光と糸
    「世界は、なぜこれほど暴力的で、同時に、なぜこれほど美しいのか? 」 ハン・ガンは「痛み」について書き続ける作家であり、その作品を読むわたしたちは、その「痛み」から、目をそらしてはいけないと思った。 生きている人のすべてを言葉にすれば、どんな形であれ 同じ思いや感じるものの中にあり記憶の底に沈めて来たものがある。紡がれる言葉はほとんど悲しみに近く、一瞬と永遠が詰まっている。
    光と糸
  • 2026年2月19日
    空と風と星と詩 尹東柱日韓対訳選詩集
    尹東柱の死後出版された遺稿詩集。 こちらも『隣りの国と人々と出会う』を読んで気になった詩人。 優しさの中に芯の強さを感じる透明な詩と散文詩。誰もが知っているものに例えられた感情は詩となって今も生きている。読めてよかった。
  • 2026年2月17日
    韓国現代詩選〈新版〉
    『隣の国の人々と出会う』を読んで、韓国の人にとっての詩の重要性や歴史について気になり、手に取った一冊。 激動の時代を生き抜こうとした人々の思いが62編の詩から伝わってくる。選んだ詩人の紹介文があり分かりやすいのも良い。 自由詩の魅力が詰まっていた。
  • 2026年2月14日
    傷のあわい
    傷のあわい
    海外で生きる日本人の"語られざる物語"を描く本書は、宮地尚子さんの言葉が静かに心に響いてきます。 誰もが心に傷を持っていて、その傷がうずくきっかけもそれぞれで、そのきっかけがわからず、傷に翻弄されている人たちもいる。 そのうずきに、かすかに過去に受けた傷によるものなのだろうと気づいたとき、傷を治すことばかり考えてしまう。 でも、受けた傷は完全には消えない。跡も残るし、最悪、その傷が割けて中から膿が出てくることもある。 醜くよれた傷跡を、愛情をこめたまなざしと手で包み込めたとき、人は傷を克服できるのかもしれない。 宮地さんの原点であるという本書。次は『傷を愛せるか』も読んでみたい。
    傷のあわい
  • 2026年2月10日
    イギリス人の患者
    イギリス人の患者
    第二次大戦下のイタリアの廃僧院を舞台に、それぞれのやるせない事情を抱えた4人の登場人物が織りなす物語。 この物語の主人公は誰なのか。飛行機の事故により火傷で顔を無くした“イギリス人の患者”、若くして既に多くの兵士を看取っている看護婦のハナ、ハナの父親と親交があった盗賊カラヴァッジョ、イギリス兵として地雷を処理するインド人の兵士キップ。   それぞれの人物の立ち位置から、記憶から、彼らの見ている情景が、まるで歌うような、叙事詩のようなフレーズが心地良い。 マイケル・オンダーチェの作品はこれで3冊目となり、どれも詩的な文章に嘆息する。再読に耐えうる傑作。
    イギリス人の患者
  • 2026年2月4日
    笑いと忘却の書
    笑いと忘却の書
    緻密なモザイクのように積み上げられていく7つの物語。クンデラの作品は癖が強く、一読だけでは味わい尽くせないところもあるけど、理解出来てくると面白い。
  • 2026年2月2日
    人間がいなくなった後の自然
    人間がいなくなった後の自然
    今年のベストに入りそうな本に出会えた。 環境汚染は傲慢だと言う人もいるけど、確かにそうだなぁーって感じる事はある。 地球温暖化も、人間が起因している事はあるだろうけど、今大きく変化している時なのかとも思う。 人間の愚かな行為によって自然が破壊され、人間が去ったその場所は想像を超えて豊かな様相を見せる。この本を読むと、自然環境を保護するためには人間社会から切り離すのが一番いいのかと思わせる。
    人間がいなくなった後の自然
  • 2026年1月30日
    2月の本
    2月の本
    昨年の4月から刊行が始まったアンソロジー「12か月の本」も、残すところ今月で2冊となった。 ジャンルにとらわれない作家(作家以外も)の作品を、この1冊で読めるのは何とも贅沢な気がする。 これを機に、今まで読んでいなかった作家も読んでみよう!
    2月の本
  • 2026年1月29日
    立原道造 風景の建築
    久しぶりに手に取った、建築家で詩人でもある立原道造。 現実離れした作風で、どこか夢想的な詩人と言われがちですが、読んでいると、意外な強さやしなやかさも感じる、好きな詩人の一人です。多くの建築の図面、スケッチを残したと言われていますが、実際に建つことはなかった。それでも、亡くなった後も残された作品は、人々に感動を与えている気がします。
    立原道造 風景の建築
  • 2026年1月26日
    時の家
    時の家
    一級建築士という資格を持っているだけあって、家の細かい部分の描写も多く、かつてこの家に暮らしてきた人たちの記憶がさまざまな場所に刻まれ、歴史が紡がれている。直接関わることはないのに、”家”という空間をとおして深くつながっていきます。 読んでいて、自分のこれまでの事を思い起こさせる、静かに心に沁みるお話しでした。
    時の家
  • 2026年1月23日
    ジャズ
    ジャズ
    榎本空さんの『音盤の来歴』の中で取り上げていた、トニ・モリスンの小説。 『ジャズ』というタイトルのとおり、即興的に自由にスイングするように、過去と現在だけでなく人物のあいだを行ったり来たりしながら、それぞれの人生の物語が生々しい描写とともに繰り広げられていく。 音楽を読む一冊。
  • 2026年1月18日
    音盤の来歴
    『音盤の来歴 針を落とす日々』はアメリカで神学と人類学を学び、心の支えとなった音楽やレコードについて書かれた、榎本空さんのエッセイ。 語られるのは単なる音楽(レコ-ドを探す日々)のことだけではなく、アメリカで経験してきた痛みを伴う歴史や運動が、音楽を通して過去につながり、現在の日々を慈しみ、未来へ何かを残そうとする、静かな決意が語られていた。 そして、何より文章がとてもいい。静かに語ることばが深く心に沁みる。
    音盤の来歴
  • 2026年1月15日
    音を視る、時を聴く「哲学講義」
    昨年読んでとても印象に残った、福岡伸一氏の『生命と時間のあいだ』で触れていた、大森荘蔵+坂本龍一『音を観る、時を聴く:哲学講義』。 本の内容は難しく、論点は多岐にわたるのでとても簡単に要約することなどできないけれど、大森さんが出発点とする「只今」という独特の時間論が「私」という枠組みを解体し、音楽を演奏したり聴いたりすることが、実はとても不思議なことだという形で展開していくところはとてもスリリングで、ワクワクしながら読んだ。
    音を視る、時を聴く「哲学講義」
  • 2026年1月13日
    エピタフ  幻の島、ユルリの光跡
    表紙の白馬の訴えかけてくるような美しい目、本を開くと霞がかった背景に数頭の白い馬が草原に立っている写真が幾枚も収められています。 「墓碑銘」を意味する「エピタフ」、このタイトルと写真に惹かれてて購入した本書は、写真家である岡田さんがユルリ島に魅せられ、島に渡り馬の写真を撮りながら、かつてのユルリ島の住人や馬を供給していた馬牧場の人たちに話を聞いた記録が綴られています。 写真と共につづられた、かつてここに住んでいた人たちのことばが静かに心を打つ。
    エピタフ  幻の島、ユルリの光跡
  • 2026年1月9日
    コンパートメントNo.6
    コンパートメントNo.6
    先に映画を観てから、本書を読みました。多少の話しの違いはあるけど、どちらもとても良かった。本の表紙の装画は車窓から見える雪の風景。これはれっきとしたロードノベルだけど、80年代のソ連の人々の生活も仔細に描かれていました。果てしなく広く、激動の時代であったからこそ、様々な生き方があったのだろうと、途中下車した街々で出会う人々との短い会話の部分を読みながら想像しました。 人はそれぞれいろんなものを抱えて生きている。旅のはじまりは最悪だったけど、最高の旅の終わりでした。
    コンパートメントNo.6
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