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@yatsu_books
北アルプスの麓の大町のシェア型本棚の棚主 本とコーヒーと、時どき山
  • 2026年4月25日
    DEEP LOOKING 想像力を蘇らせる深い観察のガイド
    日々の忙しさや膨大な情報にさらされる生活のなかで、どうしても自分の視野に固執してしまいがち。視点や視座が固定されると思考が硬直化し、柔軟な対応ができなくなる ことがあります。何かをしっかり”見る”こと、ひとつのものに”じっと集中する”(待つ)ということがどれほど大事なことか、「アートを観察する」をベースに、凝り固まった思考から解放され、自由に創造的に思考できること、この本にはそんな潜在的な感覚を取り戻すためのヒントが詰まっていました。 アート好きな人はもちろん、この危機的な時代にどうやって生活を豊かにしていくことができるか、わたしたちの想像力や感受性をあたたかく呼び覚ましてくれそうです。
    DEEP LOOKING 想像力を蘇らせる深い観察のガイド
  • 2026年4月22日
    山の本棚
    山の版画家、大谷一良さんの描く山の風景が好きです。 上田茂春さんによって集められた、山にまつわる書籍を集め紹介したブックガイド的エッセイ集『山の本 収集の楽しみ』にも、大谷一良さんによる版画が表紙や挿絵に使われています。この本は版画もいいけど、装幀のすべてが美しい。 「集まる楽しみが昂じてくると、集まる方に夢中となり、読む方は二の次になる本末転倒も珍しいことではない。本はそういう魔力も持っているのである。」 『山の本棚』は山の本だけに限らないけれど、自分の読書や山旅を豊かにしてくれます。
    山の本棚
  • 2026年4月19日
    背表紙の学校
    背表紙の学校
    素朴な文体にほっこりしながら、本や文学へのあふれる想いはもちろんだけど、わたしたちの今抱える不安や孤独を超え、平和への決して押し付けがましくない温かな祈りに近いメッセージが伝わる。 物事を馴れ合いや既成観念で見ることなく、新鮮な感覚を抱き続け、真摯かつ文学的な純度の高さを保つ著者の感性を存分に堪能できる、奈倉有里さんの言葉。 難解なロシア文学が根底にある著者の、濁りのない文章に心を打たれてしまうのは、やはり文学の力だと実感します。
    背表紙の学校
  • 2026年4月12日
    青い眼がほしい
    青い眼がほしい
    トニ・モリスンの、力強く詩的で美しい文章は、選び抜いたモチーフを駆使して、あまりにも残酷で悲しい出来事を読者の前に立ちあげてくる。 白人の価値観が浸透した世界では、虐げられる方はその価値観でよしとされるものへ憧れ、受け入れられるためには、青い眼でさえあればと、少女の切なる願いに胸が痛みます。 「愛は、けっして愛する者以上にはならない。」という言葉が刺さりました。愛し方がその人の限界を現すのかもしれません。今も余韻を残す物語。
    青い眼がほしい
  • 2026年4月9日
    Θの散歩
    Θの散歩
    日記であり、エッセイでもあり、それともやっぱり小説?その境いめが実はよくわからないでいるけど、百万年書房さんのコメントを読むと、この本はどう捉えても良いという事らしい。いずれにしろ、そんな境界はなくても読んでいるものにはどうでもよくて、保坂和志さんも帯に書いているように「読んでいて本当に楽しい」本に出会えて、こんな面白い事ができるんだなぁという新しい発見。スピン15号の表紙で、取分け目に付いた富田ララフネさん。収められているエッセイも面白く、本屋で手に取ったたこちらの本も、それは楽しく読みました。
    Θの散歩
  • 2026年4月6日
    それから
    それから
    家族を軽蔑しながらその金に頼り、社会を分析しながら何も選べない代助。三千代への愛に無自覚で友人の平岡に譲ったにも拘らず、自然に出てくる三千代への愛欲に耐えられなくなる。恋に落ちてやっと行動に移しても、自分の無力さから逃げられない。 後半までは盛り上がりはなく、哲学的で難解な表現もあり、それでも一行一行に深い味わいがありました。 夏目漱石の前期三部作で『三四郎』に続く『それから』、『三四郎』は随分昔に読んでいるので飛ばしたけど、もう一度読もうかな。
    それから
  • 2026年3月31日
    本を読む本
    本を読む本
    基本的に本書の内容はとても難解です。実践するには到底及ばないと感じたけど、真面目に読書について考えさせられるきっかけにはなり、一度は読んでおく価値はある本だと思いました。 難解な本が自分を成長させてくれる、心が豊かにならなければ学んだことにはならない、という言葉にはぐさりと胸を刺された感じです。心豊かになる読書をしようと思いました。
    本を読む本
  • 2026年3月28日
    語るに足る、ささやかな人生
    広大な国土があるアメリカでは、ひとつの街から街まで膨大な距離があり、その間を繋ぐ細い糸の結び目のようにスモールタウンが点在している。車を走らせ、モーテルに泊まりながら、人口3000人程度のスモールタウンを巡り、そこで出会った人たちと言葉を交わしていきます。 強い意思を持ちながらそこで暮らす人、いつかそこを出ることを夢見る人、惰性で暮らす人、スモールタウンに住む理由はさまざまだけど、名も知らぬアメリカのスモールタウンの住民の人生を垣間見ることで、世界中のいたるところに、たくさんの「語るに足る、ささやかな人生」があることを想像することができる。それぞれの「語るに足る、ささやかな人生」がその場所にあることがわかります。   そんな”ささやかな物語”を探しに行くこともまた、旅をする理由なのかもしれません。世界は物語に満ちあふれている。
    語るに足る、ささやかな人生
  • 2026年3月22日
    東方見聞録
    東方見聞録
    有名な書なので、読んでいるようでいて意外にも最後まで通して読むのははじめての、マルコ・ポーロの『東方見聞録』 日本が”ジパング”(チパンク)として、はじめてヨーロッパに伝えられたことは知られていますが、実際にどのように報告されたのか? 「大陸から千五百マイルの大洋中にある、とても大きな島である。住民は皮膚の色が白く礼節の正しい優雅な偶像崇拝教徒であって、独立国をなし、自己の国王をいただいている。この国ではいたる所に黄金が見つかるものだから、国人は誰でも莫大な黄金を所有している。」 誤報も多いようだけど、この時代のマルコ・ポーロという稀代の探検家の偉業を楽しむために作られたのだと思うと、行く先々での特産品や気候風土、風俗、その地の面白い言い伝えなどはとても興味深く楽しめました。 今回選んだ河出書房新社版、この本を含めた『世界探検全集』がどれも面白そう。
    東方見聞録
  • 2026年3月19日
    Coyote No.88 大谷一良 山のディヴェルティメント
    大好きな版画家、大谷一良さんの特集 大谷一良さんの描く版画は 静かで雄大な冬の山並みを描き 見る人の心に懐かしさや安らぎを与えてくれる 雪をかぶった山、静かに立つ木々、澄んだ空気 それらはすべて、大谷一良さんの心を通して 木版に刻まれ、わたしたちに語りかけてくる 先日届いた『coyote』、大谷一良さんの 「心の中の山」をゆっくりと味わいたい
    Coyote No.88 大谷一良 山のディヴェルティメント
  • 2026年3月15日
    世界最高の辞典を作った名もなき人びと
    世界最高の辞典を作った名もなき人びと
    以前読んだ『博士と狂人』にも書かれていたけど、出来上がるまでのその過程が、ダイナミックに更に面白く描き出されています。 150年ほど昔、参考となるような辞書がまったくどこにも存在しなかった時代に、全てのことばをその歴史も含め、用法がよくわかる文例を入れた辞書を作ろうとOEDの編纂が始まり、すべてのことばを網羅するためにどのような手法を使ったのか、この道のりを読んでいるだけでも静かな興奮を覚えます。
    世界最高の辞典を作った名もなき人びと
  • 2026年3月9日
    ガウディの伝言
    没後100年の節目に合わた展示『NAKED meets ガウディ展』に行ってきました。 展示からガウディ建築の”形”としての魅力を味わうことはできたけど、それだけでは不十分と感じ、日本人として初めてサグラダ・ファミリアの彫刻に携わった外尾悦郎さんの本書を読みました。 ガウディの意志を継承し、わからない部分は手探りで探っていくところがとてもおもしろく、長年、現場で石と対話してきた外尾さんの言葉には、単なる解説書にはない圧倒的な説得力があります。知っているようで知らなかったガウディの素顔を映し出す、まさに「時を超えた手紙」のような存在だと感じました。
    ガウディの伝言
  • 2026年3月7日
    科学する心
    科学する心
    科学エッセイ?というのかな。読んでいてとても楽しかった。紹介されている本も面白そうなのがたくさんあって、色々広がりそうです。 当たり前だけど「同じものを見ても、全く同じに見えるわけではない。同じ感覚・感情を抱くわけではない」ということを改めて考えていました。扱う科学はいろいろで、虫や日時計や気候や進化、その他いろいろ。写真や図版も多いし、内容は最新の知見ってわけじゃないので知っていることも多かったけれど、文筆家のフィルターを通して見る科学は、私の見え方とちょっと違う面もある。それがとても楽しい。 「科学は五感をもって自然に向き合う姿勢」、これこそ科学の原点だと感じました。
    科学する心
  • 2026年2月28日
    3月の本
    3月の本
    昨年から読みはじめた本、『12カ月の本』も『3月の本』をもって最後となりました。 文豪だけではなく、画家などの随筆もなかなか読むことがないので、かなり豊かなセレクションだったと思います。本当!楽しかった。 それにしても、この豊かな色使い!並べても絵になる。
    3月の本
  • 2026年2月24日
    二月のつぎに七月が
    700ページを超える大作。毎日少しずつ、読み終えるのに1ヶ月ほどかかったけれど、心豊かになる時間でした。 鉤かっこがないので時々誰の視点なのか、曖昧なままで語りが進んでいくこともあるけど、それが何の違和感もなく風景に溶け込み、これは小説なのだけれど、目に見えるものだけではなく、匂いや手触りなどが感じ取れるくらい詳細な文章も 読んでいる途中なんども「エッセイだっけ?」と思ってしまうほどでした。 めまぐるしいこの時代に過去と今が溶け合っていくことで、凝り固まった何かから解放されていくような、そんな気持になりました。「人間が人生で抱える哀歓」を書いてきたという堀江敏幸さんの文章が、今回もじんわりと染み渡っていくようでした。
    二月のつぎに七月が
  • 2026年2月21日
    光と糸
    光と糸
    「世界は、なぜこれほど暴力的で、同時に、なぜこれほど美しいのか? 」 ハン・ガンは「痛み」について書き続ける作家であり、その作品を読むわたしたちは、その「痛み」から、目をそらしてはいけないと思った。 生きている人のすべてを言葉にすれば、どんな形であれ 同じ思いや感じるものの中にあり記憶の底に沈めて来たものがある。紡がれる言葉はほとんど悲しみに近く、一瞬と永遠が詰まっている。
    光と糸
  • 2026年2月19日
    空と風と星と詩 尹東柱日韓対訳選詩集
    尹東柱の死後出版された遺稿詩集。 こちらも『隣りの国と人々と出会う』を読んで気になった詩人。 優しさの中に芯の強さを感じる透明な詩と散文詩。誰もが知っているものに例えられた感情は詩となって今も生きている。読めてよかった。
  • 2026年2月17日
    韓国現代詩選〈新版〉
    『隣の国の人々と出会う』を読んで、韓国の人にとっての詩の重要性や歴史について気になり、手に取った一冊。 激動の時代を生き抜こうとした人々の思いが62編の詩から伝わってくる。選んだ詩人の紹介文があり分かりやすいのも良い。 自由詩の魅力が詰まっていた。
  • 2026年2月14日
    傷のあわい
    傷のあわい
    海外で生きる日本人の"語られざる物語"を描く本書は、宮地尚子さんの言葉が静かに心に響いてきます。 誰もが心に傷を持っていて、その傷がうずくきっかけもそれぞれで、そのきっかけがわからず、傷に翻弄されている人たちもいる。 そのうずきに、かすかに過去に受けた傷によるものなのだろうと気づいたとき、傷を治すことばかり考えてしまう。 でも、受けた傷は完全には消えない。跡も残るし、最悪、その傷が割けて中から膿が出てくることもある。 醜くよれた傷跡を、愛情をこめたまなざしと手で包み込めたとき、人は傷を克服できるのかもしれない。 宮地さんの原点であるという本書。次は『傷を愛せるか』も読んでみたい。
    傷のあわい
  • 2026年2月10日
    イギリス人の患者
    イギリス人の患者
    第二次大戦下のイタリアの廃僧院を舞台に、それぞれのやるせない事情を抱えた4人の登場人物が織りなす物語。 この物語の主人公は誰なのか。飛行機の事故により火傷で顔を無くした“イギリス人の患者”、若くして既に多くの兵士を看取っている看護婦のハナ、ハナの父親と親交があった盗賊カラヴァッジョ、イギリス兵として地雷を処理するインド人の兵士キップ。   それぞれの人物の立ち位置から、記憶から、彼らの見ている情景が、まるで歌うような、叙事詩のようなフレーズが心地良い。 マイケル・オンダーチェの作品はこれで3冊目となり、どれも詩的な文章に嘆息する。再読に耐えうる傑作。
    イギリス人の患者
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