みなさく "ミステリー・アリーナ" 2026年5月21日

みなさく
みなさく
@minahiton
2026年5月21日
ミステリー・アリーナ
多重解決の極北の名に偽りなし!叙述モノ好き大歓喜のジェットコースターエンタメ! いやぁ、こういうの大好物なんですよ! 賛否は別れるかもしれないけど、私は大好きです。 以下、微ネタバレ。 本格ミステリのルールを使った、メタミステリ的な要素のある作品。 普通の本格ミステリを期待してはいけないし、ミステリのお約束を知らないミステリ初心者さんにはオススメできないけど、ある程度ミステリ読み慣れている人はニコニコして読めるのでは? ミステリの中に出てくるダミー推理パートが好きな私は、終始親指立てまくりでした。 自分が気になってる描写を、ちゃんと登場人物(回答者)が伏線を回収してってくれるから、叙述トリックを見逃さないように一言一句の意味を考えながら読むタイプの人は、わかるわかる、それな、の連続で楽しい。東野圭吾『名探偵の掟』とか好きな人や、自分でミステリ書いてる人ほど共感してもらえるかもしれない。 例えば、作中のミステリーアリーナが年末の国民的番組という設定なのに、出題編パートが、某賞金付きミステリドラマ(「安楽椅子探偵」)のように<再現ドラマ>ではなく、<活字>という違和感がまず気になる(作中の朗読が途中でなくなる点も含めて)が、それに対しても様々な多重の理由が存在していて、その理由を考え、幾つ見つけられるかを、劇中回答者と共に肩を並べながら読み進められるのが面白かった。 その回答の中にも、それは流石にしらんw(万年筆メーカーの社史とか)とか、そんなバカなwみたいな珍回答も、尤もらしく回答されてて思わずふふっとなるのもいい。 ラストは少し駆け足な印象だったけど、個人的にこの手のミステリに動機やらバックボーンやらの人間ドラマとかいらん派なので、エンタメとしてもテンポよく爽快で、ノンストップで読んでしまった。 結末の、優秀すぎた故にクソENDという逆ギレの中で語られる、多重解決ミステリに対する制作者の考えもわかりみが深い。 よくぞ書いてくださった!と内心拍手喝采です。 ただ、これをどうやって映画化するんだ? と思いつつも堤監督だし期待して公開を待ちます。 追記:audibleも聴きました。 私が読んだのは単行本で、audibleの朗読は文庫版を元にされていたので、文庫版では大枠のヒントになる司会者のセリフがカットされていたり、解決シーンの説明描写に加筆が細かくあったりするのがわかったのも嬉しい。 朗読も聴きやすく、特に司会者の話し方やテンポによる「やな感じ」の表現が上手くて、「くっそ、コイツw」と思いながら、聴いていてとても楽しかったです。
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