
風邪ひき
@damdamdan
2026年5月21日
ユーチューバー
村上龍
読み終わった
予想以上に良かった。鋭利な感じで痺れた。
帯文が扇情的だけど、そんな感じじゃなかった。優れた建築物のように冷たくて、安っぽい装飾などなく、空間を贅沢に使ってるような、それでいて愛想なくスッと終わる感じが最高だった。
事前に村上龍の自伝要素が強いと知ってたので『69』や『映画小説集』の系譜かと思ったが、読んでみたら『ライン』のような、人は分かり合えないし、そもそも自分のこともわからない、というシンプルな真理を、ある場面を複数の視点から書くことで描いた作品だった。現代人の持つ根源的な寂しさというか。
確かに帯の扇情的な文にあるように過去の女性遍歴を語る場面があるのだが(それも4話のうちの1話の後半だけ)、共感を呼ぶような感じではなく、寂しさだけがあった。
老境でいてなお若い頃と変わらぬ純度の高い孤独を抱える姿と、老境ゆえに時代錯誤な欲望を垂れ流す姿(もちろん自覚的に書いてるのだろう)の両方を、同時に書いていて、こういう作品はあまりないのではないか?と思って凄いなと思った。
僕は、村上春樹の描く孤独よりも
村上龍の描く孤独の方が直感的にわかる気がするし、好きだ。







