
ぽかり
@popopocari
2026年5月22日

すきなひと
桜庭一樹
読み終わった
「恋の絵本」シリーズ
私がはじめに想像していたような、いわゆる「恋人同士の甘い恋」のお話ではなかった。
これは恋模様を描いたものではなく、恋をしたことによる「自分自身の変化」や「自分と向き合う時間の経過」を描いた絵本なのだろう。
作中に出てくる「100億年」という、気の遠くなるような時間。
本当にそれだけの時が流れたのか、それとも「わたし」が「もうひとりのわたし」を追いかけ、好きな人を待ち続ける心の長さが100億年だったのか。
私は、後者だと思った。
好きな人を待つ時間というのは、何よりも幸せで、愛おしさが募るイベントだ。
100億年待つ間に、あさ、よる、なつ、ふゆ……と、たくさんの景色が浮かび上がる。四六時中、好きな人のことで頭がいっぱいになる。
これは、好きな人に想いを馳せた夜の、あのもどかしくも愛おしい時間を描いた描写なのかもしれない。
個人的に一番好きなのは、「わたし」が「もうひとりのわたし」を追いかけて行ったあとの、あの見開きページ。探す過程が散りばめられていてめちゃくちゃかわいいので、ぜひめくって確かめてみてほしい。