
有
@saq_vv98
2026年5月23日

読み終わった
戦争に関わる法制度を概観し、そしてそれらが実際の戦争でどう活かされるのか、そしてこれまで戦争で被害を被った国民に対して日本政府がどのような対応をしてきたかが書かれています。
過去の戦争や大災害で国民が被った被害やそれに対する政府や裁判所の対応および判決の内容、そしてかつての日本政府が国家緊急権や治安維持法を濫用するようになるまでの流れや濫用したことで起こった事件がたくさん紹介されていて、そこが素晴らしいなと感じました。
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・緊急事態条項が民主主義を脅かし、立憲主義を破壊しかねないこと
・憲法の制度であれば緊急事態が発生したとしても臨時国会の召集や参議院の緊急集会で対処できること
・災害対策の原則は「準備していないことはできない」ことであるから災害や感染症の蔓延に対処できるよう事前の準備は法制度を整えることが大事であること
これらを、本書に取り上げられたさまざまな事例を通してじっくり理解できるように思います。
旧憲法を起草した伊藤博文の「緊急勅令は憲法が最も濫用を戒めているものであり、議会の審議の回避や法律の破壊をするなら立憲主義に反する」という言葉を知れたもの良かったですね。
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ドイツ、フランス、イギリス、アメリカそれぞれの国家緊急権の成立の流れや権力乱用の予防・事後の是正力を説明しているところも良かったです。「他国にも似たような制度がある」とはいえ、国会や裁判所諸々の立場や立ち位置が日本とはまったく違っているので、同列で語るのは難しいと勉強になりましたね。
他国に倣うのであれば、予防・事後の是正制度も整えるべきであるし、日本とこれらの国とでは憲法や政府に対する考え方や価値観も異なるので、そこも考慮すべきだと考えるようになりました。
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巨額の借金として残った軍事費の大半が国債となったわけですが。緊急事態条項を利用することで財産に最高90%の税率の課税・税金として徴収することで解消した事例とか読むと、もう、「権力を持った人間って怖……」としか言えなくなりますね。
「戦時中は皆大変な目に遭っていたので保障はしません」理論(※こんな書かれ方はしていませんが)にも参りましたね。
ますます緊急事態条項に対する忌避感が高まりました。
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ウクライナ戦争を回避できた可能性についての話も学びになった。アメリカがロシアに対して安心供与ができていれば違っていたかもしれないこと、アメリカが抑止力を自ら放棄したことが侵攻を許したかもしれないこと……学びが多い本でした。
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でも知らないことがたくさんあったので、漏れも多いと思う。
専門用語が多くて難しいなんてことはなく。
ただ「戦前、戦時中、戦後、災害後、現場ではそんなことになっていただなんて」と衝撃を受ける事例が本当に多くて……あまりの多さに圧倒されましたね。いかに国民が一番被害を被ることになるかをひしひしと感じた。
定期的に触れて理解を深めていきたいです。
良い本でした。



