ブルバキ・ザ・K "ハイドロサルファイト・コンク" 2026年5月24日

ハイドロサルファイト・コンク
氏の自伝的小説群とはまた違う、どちらかといえば短編集『色』と通じる現実を小説的な作法で描く作品。とりあえず花村さんが向井秀徳氏への文句を書いてたのが面白かった。10代半ばから花村萬月に触れてきたから花村さんが様々な苦痛に強いことも知っている。例外を見せたのは小川国夫先生が亡くなった時など数少ない。そんな彼がここまで心が折れてるのだから相当な痛みだと判る。昔から花村さんは他者の痛みなど伝わりようがないと書いてたけど、ちゃんとこっちも痛かったです。自身の狂う様子まで克明に描写をして。『いまのはなんだ?地獄かな』的なラストで締めて。そう思えばワンスアポンアタイムインハリウッドよりも前に、しかもバッドエンドverとしてその手法を用いていたのだなと改めて感動。『ハイドロサルファイト・コンク』は合法と非合法、正気と狂気、事実と虚構を行き交うドラッグ小説。
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