
May
@May_05
2024年12月31日

ハンチバック
市川沙央
かつて読んだ
第169回芥川賞受賞作品。
だからというわけではなく、自身が障害を持つ著者の、授賞式でのスピーチから強く興味を持った。
「私は紙の本を憎んでいた」という一文に、まさにその紙の本を持つ手がこわばって、指先の水分がじわりと紙に吸い上げられる気がした。
障害者から見た世界を軽い文体で重く生々しく描かれており、心がじわじわと蝕まれていく感覚。
私はこの作品に対して、グチャグチャの泥の中から芽を出し咲いた蓮の花のような、儚くとも強い美しさを感じた。
ひとつ注意事項として、生々しい性描写が苦手な方は嫌悪感を覚えるかもです。
私はこの感じ、好きです。