タム
@tumn_
2025年3月5日

幻獣ムベンベを追え
高野秀行
ノンフィクションは余り読んだことは無いが、これはムベンベを追う早稲田大探検部の活動記録、日記のようなものだ。
1文1文、ただ事実を述べているだけなのだが、文中にあるように、友人と話すような感覚で書いた、とあるので堅苦しい表現もなく実に読みやすい。
寧ろそのおかけでまるで自分もその場に一緒にいるような感覚にさせるのでかなりワクワクする。
ワクワクするが、当時のコンゴの奥地にある湖の、科学技術は持ち込んだもの以外皆無な場所で、マラリアに尽くかかったり、無数のハエや虫にたかられる探検隊の事を思うと、面白いが絶対行きたくはないな、とも思う。
今、裏表紙に書かれた最後の文が目に入った。
「子供の心を忘れないあなたに贈る、痛快ノンフィクション。」
読み終わったはずなのに、この一文でそわっとくるので、私の心はまだ子供の心があるんだな、と思った。
