Unununium "黒い睡蓮" 2026年5月26日

Unununium
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@Unununium_111
2026年5月26日
黒い睡蓮
黒い睡蓮
ミシェル・ビュッシ,
平岡敦
モネ好き、叙述ミステリー好きにはオススメの作品! モネが後期に暮らしていたジヴェルニーの村を舞台とした殺人事件が起こるミステリー作品。 筆者も最初に書いている通り、かなり正確にジヴェルニーの村が描写され、モネの生涯や作品も事実に沿って描かれているため、物語を通してモネについて正確に知ることができる点が魅力。 叙述ミステリーとしても素晴らしく、謎が明かされた時は「ああ!そういうことか!」とビックリして鳥肌がたった。 一方で視点がコロコロ変わる点と、慣れないフランス語の人名かつ同じ人でもファーストネームで書いてあったり、名前の方だったり、役職だったり、渾名みたいなので書かれたりと、なかなか頭の中で人物を一致させることができずに登場人物欄を何度も見返しており、読むのに苦労した。 また独特の皮肉やフランス語での言葉遊びも、本来なら魅力であると思う点だが、馴染みがないため個人的には慣れるまで読みづらかった。 半分過ぎたころから読むのに慣れた点と、物語が加速した点が重なり、凄くのめり込んで、感情移入し過ぎて泣いてしまった。 個人的に読むのに苦労した箇所もあったため、諸手を挙げてオススメとは言えないが、絵画全般やモネ、そしてミステリーが好きな方は機会があったら手に取ってもらいたい。 【以下ネタバレ注意】 個人的には、殺人が起こるミステリー作品で初めてハッピーエンドの作品だったので、思い出に残る作品になった。最初はあまり共感できないなと感じていたのに、いつの間にかそれぞれの時代の主人公に感情移入していて、ラストは一緒に嬉し涙を流してしまった。 また、本作品を半分くらい読んだタイミングでモネ展に足を運び、物語にでてくるモネの作品や実際のジヴェルニーやモネのアトリエの風景を見れたのも、イメージが鮮明になりとても良かった。 本作品『黒い睡蓮』がモネ展での感想に1つの答えをくれた箇所もあった。数々の淡く明るいモネの作品の中で、個人的に心を捕まれ目が離せなくなったのが『死の床のカミーユ』だった。他の絵よりも静かで暗いこの絵に何故惹かれるのかその時は分からなかったが、『黒い睡蓮』の中でこの絵について… 「死が彼女の顔に与える色彩の変化(青、黄色、灰色など)を、本能的かつ機械的に観察し、筆を握って描いてしまった」 …というモネに関する描写があり、愛よりも絵画(光と色彩)を優先してしまうモネの芸術家としての狂気がこんなにも見る人を惹き付けてやまないのだと理解できた。 人生初のモネ展と共に記憶に残る作品となった。
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