
ぽかり
@popopocari
2026年5月28日

ジェリー・フィッシュ
雛倉さりえ
読み終わった
物語
ページをめくるたび、生々しい痛みがダイレクトに伝わってくる小説。
一編ごとに主人公(視点)が変わる連作短編で、あの時彼はもしくは彼女はどう思っていたのか、という答え合わせができる構成になっている。
多角的に事件や人間関係が浮き彫りになっていく展開に、ぐいぐい引き込まれた。
作中で描かれる「加害に快感を感じる」という心理。
本人が言う通り、それは単に「歪んでいる」のだろうか。読み進めるうちに、私は違う気がしている
あれは、単なる異常性などではなく、彼女なりの切実な「自己防衛」による反応のように見えたな
肉親から容赦なく暴力を振るわれる日々の中で、その理不尽な暴力をどうにか正当化しようと、心を壊さないようにと、彼女なりの答えが「快感に繋げること」だったのだと思う。
そう思わざるを得ない背景の生々しさに、心が痛んだ。
あまりの痛烈さに、読み終えてもすぐには感情が追いつかなかった。

