彼らは読みつづけた "図書館の魔女 霆ける塔" 2026年5月28日

図書館の魔女 霆ける塔
*本の中の読書* 《その日もマツリカは午後を書冊に埋もれて過ごしていた。毛織り絨毯に羽根枕を重ね、上に胡坐で経机を引き寄せて字引きを開いている。マツリカは本来椅子に腰かける習慣であるが、こうして床に腰を据えると思わぬ文献学上の利便があった。ぐるりの絨毯の上に参照書目を全部開いて置いておけるのだ。 開いた書物が円を描いて絨毯に並び、場所によっては図書の円は二重、三重になっている。中心では字引きを膝に開いたマツリカが、まるで時計の針のようにぐるぐる廻りながら周囲の書冊を眺め渡しては頁を繰っているのだった。》 — 高田大介著『図書館の魔女 霆ける塔』(2025年11月Kindle版、講談社)
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