読書日和 "飲中八仙歌" 2026年5月29日

読書日和
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@miou-books
2026年5月29日
飲中八仙歌
飲中八仙歌
千葉ともこ
ずっと「漢詩・唐詩をたしなんでみたい」という憧れがありつつも、正直かなり苦手意識があるのです・・・。無理やり暗記させられた李白の「静夜思」も、その頃はただの“覚えるもの”でしかなく、いまいち余韻に浸れなかった。 そんな自分にとって、この本は漢詩の世界を「難しい教養」ではなく、“生きていた人たちの物語”として感じさせてくれる作品だった。 タイトルにもなっている「飲中八仙歌」は恥ずかしながら今回初めて知ったのだけれど、酒と芸術をこよなく愛する風変わりな人々を、杜甫が親しみと愛情たっぷりに描いた詩だということがよく分かる。この小説では、その八人それぞれの魅力が生き生きと描かれていて、とても楽しかった。 特に印象的だったのが、杜甫から見た李白。自由奔放で、酒を愛し、自然を愛し、何ものにも縛られずに詩を生み出す姿が本当に魅力的だった。杜甫はきっと李白のことが大好きだったんだろうな、と思う。ユーモアを交えながらも敬意のこもった描写がとても素敵だった。 また、「当時の杜甫や李白は、どんな響きの中国語で詩を読んでいたんだろう」と想像するのも楽しい。現代の中国語とも違う音で、きっともっと音楽のように朗々と詩を響かせていたのだろう。 電話もメールもない時代、風来坊の詩人たちはどうやって互いに詩を送り合ったのだろう。どんな顔で皇帝の前に立ち、詩を吟じたのだろう。そんなことを想像しながら余韻に浸れる、とても豊かな読書時間だった。 この本をきっかけに、積読状態だった漢詩関連の本も引っ張り出して、また少しずつ読み始めた。まだまだ敷居は高いけれど、ゆっくりでも触れていきたい。「もっと良さを分かれる大人になりたい」と思わせてくれる一冊だった。 最後に、作中で「これぞ」と思った名言。 「安い酒しかないときは棗」 白酒ではないよな、紹興酒かな?などと想像しながら、「ちょっと試してみたいな」とワクワクしてしまった。 そして読み終わった今、俄然『長安のライチ』も読みたくなっている。
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