ちゃそす
@1000book_zautusu
2026年5月25日

カブーム!
ダレル・ハモンド,
関美和
読み終わった
46
全ての子供達に遊び場を!
カブームは、アメリカの各地に遊び場を建設する非営利団体だ。創設者ダレルの、これまでの経緯を語った一冊。
すごくアメリカンというか、ヒロイックなノリを全体から感じた。とにかく成功の部分が厚く語られ、困難や失敗にはあっさりとしか触れられない。そもそも活動そのものからアメリカ的な文化背景を感じた。
企業からのファンドを得て慈善事業をする非営利組織、というのは日本ではあまり見られないモデルのように思える。これも「持つものが持たざる者に施す」という宗教・文化観から来るものなのだろうか。日本だと、全員が社会に対して責任を負っている、という感覚で、一方向の施しみたいなものはあまり見られないような気がする。
カブームの思想では、一方向の施しでは持続性がない、という点が重要視されている。コミュニティ主導で遊び場作りを推進していくことで成功体験を与え、今後もコミュニティが活発に運営されるきっかけを作ることが主題だ。作るものが遊び場なのは、子供がコミュニティの中心であるから、という見方もできる。実際、ただ与えられただけの遊具は管理されず、荒廃していくという。
「遊び」というと娯楽のようなニュアンスを感じるが、子供にとっての遊びとは、全身と五感を最大限活用して世界を知ろうとする働き、これから歩む現実世界のシミュレーションであり、子供にとってなくてはならないものだ。だからこそ子供はどんな場所でも遊ぼうとするし、危険なエリアで子供が亡くなってしまうような事態がアメリカでは問題になっている。一方で日本では荒廃した公園が麻薬密売所になるようなことも、子供を守るために親が子供を外に出さないようなこともなく、国や市町村によって公園が建築・維持され、どこでも安全に遊ぶことができる。今までなんとなく通り過ぎていた公園は、日本の公共福祉の賜物なのだとわかった。
こういった、日本に根付いた公共意識が、これからもずっと守られていけば良いと思う。