
ユメ
@yume_bookworm
2026年3月5日
大江戸ぐるまん 鰻番付
坂井希久子
読み終わった
感想
坂井希久子さんの『居酒屋ぜんや』シリーズが好きなので、同じく食を題材とした時代小説である新作も読むのを楽しみにしていた。
知り合いに教えられた店の鰻飯のあまりの美味しさに感動した主人公のお富美は、その店が「鰻番付」に載っていないことを訝しみ、番付を作った庄七という男の元を訪ねた結果、彼が大金を払った順に店を掲載しただけだと知って憤る。そして、自ら真に美味しい店だけを集めた番付を作ろうと立ち上がるのだった。とにかくお富美の行動力と食べっぷりが気持ちいい。よく食べることが原因で吝嗇家の姑に離縁を言い渡された、というキャラクター造形も活きている。
お富美がひたすら鰻飯を食べ歩いているので、ページを捲るたびに甘辛いタレとピリッとした粉山椒の香りが漂ってくるようで、読んでいるだけでお腹がいっぱいになるようだった。
番付作りを通して、ひととの縁が繋がってゆく様も温かい。是非、お富美が様々な料理の見立番付を作る物語としてシリーズ化してほしい。

