
ユメ
@yume_bookworm
2026年3月15日
夏から夏へ
佐藤多佳子
読み終わった
感想
『一瞬の風になれ』を読み返したくなったタイミングで、ふと本書を先に再読しておこうと思い立った結果、なぜかボロボロと涙を溢し続けながらページを捲ることとなった。我ながら不思議なほど胸がいっぱいになってしまったのだ。
こうも心を揺さぶられるのはなぜだろう。陸上4×100メートルリレー日本代表チームを取材した本書で記録されている道のりの先に、2008年北京オリンピックのメダルが待っていたことを知っているから、いっそう2007年夏の出来事が胸に迫るのかもしれない。「4継は信頼の競技である」ということが繰り返し記されており、その在り方が『一瞬の風になれ』の新二や連たちの姿とリンクするからかもしれない。そして何より、4継チームを追う佐藤多佳子さん自身の高い熱量がこちらに伝播してきて、感情を掻き立てられるのだ。
個人競技ではライバルでありながら、互いに深い尊敬の念を欠くことなく、チームとして特別な絆を育む選手たちの姿に、大袈裟かもしれないが、人間という生き物に対する希望を見せてもらったような気さえして、本当に胸が熱くなった。

