
さえ
@sae202508
2026年5月29日

江の島ねこもり食堂
名取佐和子
読み終わった
図書館で借りた
海が苦手な私ですが、何故か江ノ島は大好きなんです。生の海産物が食べられないけど、生しらす丼は食べられるようになったくらい笑
江ノ島で猫に囲まれた食堂ののんびりしたお話かな、と思っていたのですが…。
しょっぱなから大波乱。
2002年、まだ学生の麻布ちゃんが主人公の話からスタート、人見知りで、猫が好きで、ねこもりと呼ばれる家の仕事、江ノ島のたくさんの野良猫達に餌をやり、安全を見守るという仕事を続けながら家業の旅館兼食堂の半分亭を続けていく人生を送ると決めていたのに、全てがひっくり返る出来事があり、島をでる事に…。
全5話で麻布からはじまり、ひいばあちゃん、おばあちゃん、母の代々女に継がれて来た半分亭の歴史、彼女たちが幼い頃、若い頃に何があってここまで来たのかが絵合わせのように少しづつはまっていきます。
それぞれの歴史的な背景、置き屋の新造と仲良くなったり、戦前戦後の時代背景の中でも江ノ島は静かにねこもりと共に過ぎていく。
赤ん坊だった土産物屋の子がおばさんになり、おばあさんになり、亡くなるまで半分亭に関わっていたり。
田舎なわけでもなく、都会でも無く、離島でも無いのに橋を渡って島である小さな集落の中での彼女たちの歴史。
最後に麻布が下した決断で、物語は新たなステージに進む。
続きがあっても良いような、今後の麻布の人生を祝って終わりたいような。
人1人が生きていく中では、大事件が起きてなくても岐路に立たされることはある。物語的な決断では無く、やっぱり家族のため家のためと割り切って飲み込んでねこもりを、半分亭を守っていく女達の人生の記録。
のほほん話と思っていたのですが、ギャップに驚いた。この間観た映画「落下音」に似た雰囲気。
あちらはホラーですが、ホラーだけでない女の物語だったので、この本好きな人には観てほしい。

