"今夜はパラシュート博物館へ ..." 2026年6月2日

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2026年6月2日
今夜はパラシュート博物館へ THE LAST DIVE TO PARACHUTE MUSEUM
p13 「「犀川先生と安朋さんがいらっしゃるのだから、喜多先生だって、来やすいはずじゃありませんか。」睦子が言う。」 p18 「「あ、あの……、大御坊ですけど。」「は?」不注意にも、諏訪野は思わず小さな声をあげてしまった。」 p19 「世の中、いたるところに人間の知恵と意志が潜んでいるものだ。」 p22 「「大御坊か?」」 p28 「「大御坊か?」」 p30 「犀川はこういった家庭料理を食べたことがなかった。もともと、彼の実家ではこういった料理は出ない。」 p31 「「今度私が包丁を握るときは、誰かを刺し殺すときですよ。」」 p37 「「世の中、いつもいつも、すぐに答が見つかるわけじゃないんだよ。」犀川は淡々と話す。「どれだけ沢山のものを保留していられるかが、重要な能力の一つだ。」」 p46 「「人間、いつだって、誰かを探しているし、見つけ出さなければ、忘れてしまうのが普通だ。」」 p47 「「私が探している人物こそ、私の理想の男性だ。彼女はそう言いました。」」 p49 「「この二人、ちょっと勉強のし過ぎで、おかしいんだ。」大御坊は隣の恵郁子に囁いた。」 p53 「大御坊安朋は小説家なのである。」 p53 「「人間いろいろ、千差万別。」喜多がすぐ答えた。「魔が差したんだろう、きっと。世の中そういう奇跡に満ち溢れているんだ。」」 p54 「「木原さんが、その怪しい喫茶店で見た占い師と、それとも、僕を待ち伏せしていた女の子……、この二人のうち、どちらが魔女だったか?」」 p55 「「こういった境界条件がファジィな問題に、君の思考パターンは向いていない。自覚していた?」」 p58 「「では、手短に申し上げたいと存じます。結局のところ、恵郁子様は、大御坊様に約束のお金を支払われたのでしょうか?」」 p58 「「心より、お慶びを申し上げます。」諏訪野は、また頭を下げた。」 p61 「「なんだ、そういうことか。そうか、お前が大御坊だということを、すっかり忘れていたよ。」」 p63 「「愛の告白だったわけね?」」 p63 「「結婚したんだ。」大御坊は言った。「僕たち。」」 p63 「喜多は、小刻みに何度か頷いたが、しだいにその首の運動は縦から横に変化する。」 p65 「「思考は、もっと自由でなくてはいけないってことですか?」「自覚さえあれば、どちらでも良いね。」」 p69 「「二人がお互いに惹かれていた。それなのに、言葉にするときは、つきまとわれている、という表現になって、自分でもそう思い込んだ。つまりは、お互いの自覚がトリックだったんだ。おそらく、世の中にはこういった例は多いだろうね。話している本人が気づかないうちにトリックが仕掛けられる。一方では、客観的に考えれば、こんな簡単なことが現実には盲点になる。」」 p71 「「ええ、本当に、素敵な魔法。」目を細めて萌絵が微笑んだ。「私たちも、やってみません?」」 p75 「若い頃ほど、納得することに飢えている。何故だろう?おそらく、数々の≪納得≫によって自分が成長してきた余韻にまだ酔っていられたからだ。それにしても、人間の興味が、歳を取るにしたがって、さまざまな方面から撤退することの凄まじさ。まるで、死に急ぐような、素早さ。」 p76 「中高一貫の私立T学園は男子校である。犀川も喜多も、二人ともこの学校の出身だった。」 p77 「「双頭の鷲の旗の下にだよ。」」 p80 「珍しい。衝撃的といっても良い。今年一番の珍しさだ、と萌絵は小さく震えた。国枝桃子がそんな台詞を口にするなんて……。恥ずかしい?いったい、どうしたというのだろう?」 p109 「「音を聞いたのか?お前、ここに一晩中いたんだろう?」HはSに質問した。「いや、ヘッドフォンをして音楽を聴いていたからね。」Sは床にあるラジカセを指さした。」 p112 「「さあね、きっと、夢が見やすいんだろ。」Sはちらりとこちらを向いて、口を斜めにした。」 p112 「三人は廊下へ飛び出した。三人だけではない、クラス中のみんなが廊下を走っていた。UFOが運動場に着陸したみたいな騒ぎだ。」 p114 「もう一人、長身の人物が手前から現れる。薫田川や八木よりも背が高かった。背広の背中しか見えない。」 p125 「振り向きもせず、逃げるように早足で去っていく薫田川夫人。「国枝先生!」」 p126 「思考は、最初の印象によって無意識に限定される。その不自由さが問題を複雑にし、解決を遠ざけてしまうことが多いのだ。」 p127 「「やったことがあるみたいじゃないか。」喜多が笑った。「やったことがないみたいじゃないか。」犀川は笑わなかった。」 p131 「人の心はときどきクリスタルのように細かく揺れ動く。いつもなら、自身によって重ねられた粘液にも似た理屈のないシールドに被覆されて、「落ち着こう落ち着こう」と自重しているはずのシステムが、何がきっかけなのか不明だが、たまに、ぶるっと身悶える。」 p132 「さて、その日の小鳥遊練無は、まさにこのゆらぐ心を(無自覚にも)持っていた、といえる。」 p133 「ぶるぶる人形を追跡する会(一般参加を歓迎)」 p134 「「あれ?貴方って、もしかして女性?」」 p134 「「私のことはフランソワって呼んでちょうだい。貴方はなんて呼ぼうかしら。」」 p147 「「研ぎ澄まされた感覚が、ぶるぶる人形を呼び起こすのです。」」 p158 「「まさに絶好のぶるぶる人形日和といえます。」」 p166 「恐いものとはこの場合、信じたくないもの、とうてい自分には受け入れることのできないもの、なのに、その出現を望んでいる。怖いものが見たい、という感情は、実に矛盾した欲望ではないだろうか。」 p167 「「ちなみに、これを≪置いてきぼりの法則≫という。」」 p182 「そんな恐いものは、どこへ行ってしまったのだろうか。それとも、恐怖なんて、そもそも実体のないもの。どんどん、実態に支配されるのだ。」 p183 「ぶるぶる人形が、ついに、現れたのだ。」 p186 「「お願い、燃えないで。」」 p191 「「西之園よ。」」 p194 「「でも、形以外に、見えるものは、この世にないのよ。」」 p201 「「ものごとの本質は、表面からは見えない。いつでも、それはとても小さな兆候なのだ。良いかね、メテ君、どんなに細かいことも見逃してはならない。可能な限り広く神経を配り、細かく観察し、そして正しく分析するのだ。」」 p207 「「二十六は、二乗数の二十五と、三乗数の三十七に挟まれた唯一の整数なのだ。」私は説明する。「つまり、二乗、人情と、三乗、立法の狭間にある。」」 p210 「「最初は僅かな思い込みでも、それらの積み重ねが、あらぬ方向へと思考や推理を導くのだ。問題を難解にするものは、自分の間違った認識なのだよ。」」 p234 「「頭を冷やしなさい。可能な限り、現実的にものごとを考えなければならない。」私は言う。「無理に難しく考えようとしていないか?頭蓋の中で、夢を見ようとしていないか?頭の皮は、現実社会に直面しているのだ。つまり、これが本当の現実頭皮である。」」 p236 「だが、甘やかしてはいけない。若者の目を現実から逸らさせてはならないのだ。」 p248 「「キャスリングだよ。」」 p248 「「おお!そうか、だから、キングとルークが入れ替わって……、ほうほうほう、ああ、なるほどね……、ほうほう。」」 p249 「「そもそも、犯罪の動機などすべて、だから何なのか、という程度のものに過ぎん。否、人間のすべての行動、すべての営み、この人生もそして社会も、全部がそうだ。だから何なの?それ、なんぼのもん?違うかね?」」 p249 「「はぐらかし、はぐらかされ、生きていくのだよ。それが、すべての行動の動機であり、また、無関係でもある。私はここにいて、ここにいない。AはBであり、すなわちBでない……、わかるかね?」」 p249 「「だけど……、ほら、マイナでわかりにくくないですか?キャスリングなんて手を、知っている人がどれくらいいるでしょうか?」「知らん物は知らんで良い。我知らずを知るが大切なのだ。さあ、電気を消してくれ。」」 p254 「生きているものは、本当に得体が知れない。とにかく、生命は、他の生命を蝕む。だから、恐い。」 p255 「つまり、理由なんてものは、あとから近い言葉を適当に見つけて、それと交替した代用品なのだ。」 p255 「だが、人のことなんか、どうだって良い。そんな余裕は私にはないのだから。」 p259 「生きている目的とは、期限内に活路を探すことにある。」 p265 「「事実かどうかが問題なのではありません。僕は、それを信じている。それがすべてです。」」 p305 「どんなお話でも、それを考えた人の気持ちや希望が読み取れると素敵だと思うのです。もし私が小説を書いて、それが本になったら、先生にまっさきに読んでもらいたいと思います。」 p308 「先生は私たちに、よく「ねえ、どんなふう?どんなふう?」ときくのです。」 p309 「「先生にはわからないの、教えて。」ということを言う先生は初めてでした。」 p310 「先生が私たちに教えて下さったのは、「素直に」「慌てるな」「恐がるな」の三つでした。これを忘れないで、私は生きていこうと思います。満智子先生、さようなら。三年間、どうもありがとうございました。」 p317 「若尾先生は、私に教えてくれました。「あなたの躰はあなたが動かしているのだ。」「あなたを連れていってくれるのは、あなたしかいない。」「あなたはどこへ行きたい?」」 p317 「私は誰かに好きになってもらいたかった。でも、そのまえに、誰かを好きになろうと思います。」 p318 「今の僕ではまだとても無理だ。でも、夢を持っていれば、それに、そこへ行くまで忘れずに努力を続ければ、きっとできる。」 p318 「人は誰でも荷物を持っていて、その荷物を捨てるわけにはいかない。一生、それを持って歩かなければならない。たとえば、自分の躰が荷物だし、自分の周りの人たちも荷物になる。自分も誰か他の人の荷物になる。重いからといって捨てることは簡単だが、それを背負っていくことが、人間としての生き方だと思う。」 p318 「若尾先生が「ねえ、どんなふう、どんなふう?」と僕たちにきくのは、僕たちが先生には見えないものを見ているからなのだ。これはとても大切にしたいと思う。先生は、それを僕たちに教えてくれたのだ。」 p319 「「先生だけが目が見える。でも、どう見えるのか、君たちに私は教えられない。君たちのことだって、私にはわからない。」」 p323 「そんな優しさって、たぶん一瞬空気に触れただけで、たちまちひび割れてしまうものなに、ときどき奇跡的に残っていることがある。神様だって忘れものをするからね。」 p344 「そう、ときどき……、今じゃないこと、過去のことや、未来のことを考えてしまうんだ。それで……、気分が落ち込んでしまう。どうして、そんな自分にそんなことをするのだろうって思う。今が楽しくて、今が幸せなら、それで良い。何も考えなければいいじゃないか。そう、確かに、それはそうなんだけれど、一度でも幸せになると、それがいつまで続くものなのか、心配になる。本当に損な感じがする。」
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