しまりす "桜の木が見守るキャフェ" 2025年3月6日

桜の木が見守るキャフェ
■桜について ソメイヨシノは日本原種のエドヒガンとオオシマザクラの品種交配 自家不和合性 ヤマザクラ、葉と花が同時に開く 夏頃には蕾が作られて、冬にはじっと眠る 散った後には次の蕾をつける 桜の葉の塩漬けに向いているのは自生種のオオシマザクラの若葉 桜の葉が紅葉することを「桜紅葉」という 「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」 ■その他の花について ハナミズキ、真ん中の黄緑の部位が花 白い弁は苞葉、つまり葉の一部 麦の季節は他の植物と逆 椿は花ごと、サザンカは花びら1枚ずつパラパラ落ちる 千両、センリョウ科 大きな葉の上に実 万両、サクラソウ科 小さく密集した葉の下に実がぶら下がる 南天、キンポウゲ目のメギ科 葉が赤っぽく、実は房上 モクレンはガクがあるから、花が開き切らない、花だけが先で、葉が遅れて開く コブシは手を広げた様に大きく咲く、花と葉が一緒に開く ■それ以外 鮎菓子の別名調布 租庸調の調、布として収めたことが由来 「言葉で慰めるのは簡単なことだ。それを実践することの難しさを考えず、便利な言葉だけで気軽に他人を励ましてはいないか。」p.156 ■所感 季節の移り変わり、身近な植物、日常に馴染んだ文化のあれこれを織り交ぜた小説を書くのが上手い作家さん。 気づいたら、手に入りづらい作品以外はほぼ読んでしまった。 今、インスタントに手に入る情報やコンテンツを楽しむことは容易だ。ただ、自分が生まれる前からあり、おそらく死んでからも残り続ける様なものに触れることも生きる上で必要な糧となると思う。 すぐに廃れ新しいものがどんどん生まれる類のジャンルばかりに触れていると、まるで自分の存在も使い捨てなのではないかという、えもいわれぬ不安や底知れぬ孤独を感じやすくなるのではないか。太古から連綿と続く歴史や自然の中に自分も連なるという実感が薄れていく。 人の身体や心すらそう。手軽に見られる映像や近くにいる人だけではなく、今は亡きさまざまな人とも繋がっている。人だけでなくペットとして動物、なんなら食べ物として動物や植物を取り込んでいる。そういう繋がりのありがたさや尊さって結構忘れがちだ。 教訓的な上から目線な作品は正直苦手だが、「ほら、そこにもあるでしょう、大切なものが」とさりげなく教えてくれる作品は素直に読めてよかったと思う。標野凪の作品はそういうものが多いから好きだ。
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