りら "私にふさわしいホテル" 2026年6月3日

りら
りら
@AnneLilas
2026年6月3日
私にふさわしいホテル
3冊目に読む柚木麻子作品。 もっとあっけらかんとしたポップな小説かと思いきや、その印象は残しつつも主人公の駆け出しの女性作家の功名心の強さがバケモノ級でなかなかぶっ飛んでいた。 実在の現役作家の名前が登場するだけでなく、主人公と喋り出すし、実際にあったのだろうエピソードまで開陳されるので、どうしたって主人公と著者自身とをダブらせてしまう。 東十条のモデルは明らかだけど、他の架空の作家のモデルについても邪推せずにはいられない。東十条と共闘する流れになったり再び敵対したり、目まぐるしくて可笑しかった。 編集者の遠藤が言うところの「作家に必要なのは執念とハッタリと、イノセンス」のくだりが印象的だった(ただし遠藤は「イノセンス」を実娘や若手女性作家に求め過ぎでキモいし、編集者としては二流だろう)。 『探偵小石は恋しない』では『魍魎の匣』が活躍したように、本書では『ルー=ガルー2』が図らずも主人公の飛躍に一役買っていた。万引き常習犯はすべからく鈍器本で成敗されるべし。 オーディブル1.9→2.0倍速。
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