
久留
@hisadome117
2026年6月4日
失われた未来を求めて
木澤佐登志
読み終わった
後半になるにつれて面白い箇所がいくつかあったかんじ。
・マルクスがヘーゲルの観念論を転倒させたという指摘は従来あり、その中で近代の虚構性が触れられる。近代が発明したもの……未来、子供、等
・アメリカのカウンターカルチャーっぷり(自由を求める精神)。これは反脱魔術化の一端とされる(↔再魔術化)が、特に「大衆化」をキーワードとする霊的資本主義へと変質していった
・この反知性主義はピューリタニズムに遡る。神の前の平等を突き詰めた結果体制を認めない性質はアメリカで特につよい。経典ではなく、結果霊的交わりを重視する。民主主義も反知性主義もこの共同体的性質に根ざすという指摘は面白い。ただ熱狂は制度的権威に反抗はしても権威は消滅させない
・特にカウンターカルチャーの誕生に一役買ったのがLSDであり、それがもたらす没我の経験。外界から自己を阻害する組織が近代ヨーロッパを確立したと思えばたしかにそうかも。ただ大覚醒の背景が麦角病という中毒の可能性は笑った、人間も所詮動物……
・脱魔術化は救済の合理化を意味するのであって、宇宙に「参加しない意識」と要される。すなわち近代化は生に対して役割を与えていた意味の喪失。結果内面的な孤立をうむ……一方で環境アーキテクチャに制約された一元的な個人はとりもなおさず体制に統合されているともとれる。個別化されたアーキテクチャのうえで、自由意志と責任を問えるのかん
・個人的にすきなフーコー「社会がもちこたえ、生きているのは、(…)あらゆる受諾と強制の背後に、脅迫や暴力や説得の彼方に、生がもはや高官の対象でなくなる瞬間、諸権力がもはや何もできなくなる瞬間、絞首台と機関銃を前にして人々が立ち上がる瞬間の可能性があるからだ。」
・能力主義について。正常の概念は統計学で強化された。規律社会は否定性の社会で、能力社会は肯定性の社会。禁止、命令、規則は計画、自発性、動機づけにとってかえられる。
