
蟹座の読書
@reads_kaniza
2026年6月11日
田舎教師
田山花袋
読み終わった
都会に出て活躍することを夢見ながらも、田舎の一教師として生涯を終えた青年の物語。
文学、音楽、植物など、その時々で熱中する対象を変えながら、なんとか世に出ようとする。問題はそれが「熱中のための熱中」でしかないところなんだろうな〜と思う。
そしてまた、熱中も情熱も嫉妬も、ずっとは続かないということも考えさせられた。いつかはどんな感情も薄れていく。清三の場合は病や貧乏のせいもあるけど、そのおかけで気づけた友情もある。もう少し生きていたら…と悲しい。
清三のような人は今もたくさんいるし、今読んでも十分に面白いどころか、現代的とすら思える。清三が今の時代に生まれてたら、noteとかやってた。
最近なら何者でもない自分のささやかな日常を慈しむ、という価値観もあるけど、この時代の青年達はみんな出世欲バリバリだったんだろうか?その辺り、三宅香帆さんの「なぜ働いていると〜」にあった気がする。
出世欲のない人たちを軽蔑しながら、結局世に出ることは叶わなかった、そんなお話から山月記も連想した。また読んでみよう。