怪奇!?ドーナツの穴食べ放題男!! "閲覧厳禁 猟奇殺人犯の精神鑑..." 2026年6月4日

閲覧厳禁 猟奇殺人犯の精神鑑定報告書
モキュメンタリーぽいホラーミステリ。入りはホラー的な謎で惹き付けられる。途中からはモキュメンタリー的な推理が展開される。王道なモキュメンタリーながらも知念先生の医療知識で特色が出ていて、読んでいて実に面白かった。 しかし、丁寧に書かれた分、粗が目立つ。 以下、詳細はぼかしながら気になったところを記す。 ・缶を拾ったのは誰か 前半のホラー演出のキッカケとなった落としたコーヒー缶。ニュータウンで落として見つからなかったが、だれが回収したのか? 廃墟となったニュータウンに人はいないので、瞳の誰かが後を付けて回収したと思うのが素直な解釈だが、ニュータウンに入った人がシステムの追跡対象になると知っている瞳がそのようなことをするのだろうか? ・女将さんの謎 明らさまに怪しく、嘘をついてまで最初のコーヒー缶の怖がらせを実行した女将さんについて言及が無かった。瞳の一人であり、上記の回収もこの人なのだろうか。そうなると一般の瞳メンバーよりも情報を持っている上位のメンバーとなるが、その割には言及が無かった。 ・黒幕に辿り着きやすい行動 ニュータウン周りの謎から黒幕はすぐにたどり着ける。そうなると、ニュータウンに立ち入った人物が対象となったり、ニュータウンの妖怪の名前をシステム名に使ったりとシステムと黒幕を紐付けやすい行動をしているのが気になった。実際に登場人物達もニュータウンから真相に近づいているのである。少々迂闊な気がする。 ・そもそも何故黒幕がこのシステムを持っているのか 一介の心理学者が1つの国を対象にできるほど巨大なシステムを握っていることに違和感がある。確かにニュータウンの研究とシステムは通じる部分もある。しかし、ニュータウンの研究とシステムとの間に直接的な繋がりはない。黒幕はシステムを使いニュータウンの研究の続きを行っているに過ぎない。システムの有効性ではなく問題点の研究しているのである。 開発や運用の専門家でもない黒幕がシステムの責任者を任される経緯は見えてこず不自然さが残った。 以上、簡単に述べられるところだけメモとして記した。最後の演出にも白けるところがある。ホラー故に適していなかったのか、SFっぽい要素とモキュメンタリーの食い合わせの悪さが出たのかは批評の余地があると思う。
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