
勝村巌
@katsumura
2026年6月7日
大阪環状線 降りて歩いて飲んでみる
スズキナオ
読み終わった
不動産情報サイト、ライフルホームズの街情報メディア、ライフリストで約2年間にわたり連載された街歩きルポをまとめたもの。
僕のこのreadsではスズキナオさんの著作として「ずっとあった店」(ことさら出版)シリーズを2冊紹介したことがある。興味のある方はそちらをご参照ください。街やお店の魅力を紹介するのが得意な書き手です。
「その街に部屋を借りて住みたくなるような生の魅力を伝える」を目的にして大阪環状線の19の駅を毎回ふらっと訪れて気の向くままに散策して、良さそうな酒場に入ってほろ酔いで終わるというスタイル。
大阪環状線全駅制覇で19章。大阪の人情や風情が詰まった良書でありました。
その街の良さやふらりと入ったお店を楽しく味わうスズキナオさんの人柄が偲ばれる暖かいテキストで、読みやすく、楽しい本だった。大阪に行こうと思っている人には強くお勧めです。
町名の由来や駅を中心にしてどのように街が構成されているのかとか、周辺地域のアクセスなどについても具体的に語られていて、臨場感がある。説明も端的で分かりやすく調子も良い。
様々な料理の描写も的確でお腹の空く本でもある。紹介されているあらゆるお店に足を運んでみたくなった。
本人も環状線付近で暮らしたり働いたりしてきた経験があるようで、そういう体験に基づいた記述があるのもよい。リアリティがあると思った。
また、新今宮ではイマジネーションピカスペースというカメラマンのやっている写真集とシーシャを楽しむお店が紹介されており、後藤護さんとのYouTubeで写真集を紹介していた、ルーツが知れて、著者を追いかけているとこういう答え合わせもあって面白く感じた。
ネットの記事の書籍化ということで、ネットよりの本文レイアウトになっているのも読みやすさに繋がっていると感じた。
具体的には1行は約40字程度、インデンツ(文頭の1文字下げ)がなく、段落の間に1行分のスペースがある、という構成。
web記事では、段落は1行スペースで区切ることが多いので、行頭に1文字下げを入れなくても、文章の塊がわかりやすい。それを縦書きでも踏襲していて、内容とのマッチングが良いと思った。
何か観念的な比喩表現などがなく、目に見えたものを歯切れ良くテキストにしていくにはこの方が口語的で良いのかもしれない。
ちなみに僕は仕事で良く新今宮と天王寺の間あたりに宿泊するし、仕事では緑橋やあびこ町、高槻などによく行くので、その周辺の環状線の駅ごとの個性が分かって、大阪の面白さに触れられた気がする。
確かに大阪に住むのもありだな、と思わされた。またこの本は著者のスズキナオさんが一時期勤めていた西九条駅から徒歩で行ける此花地区のシカク出版で購入した。
その時に店主の竹重さんともお話しすることができたし、シカクの歴史を書いた自費出版の「シカクはこうしてこうなった」全5巻も読んだので、スズキナオさんはそこにも登場していた。そういう意味でも親近感を持てる内容だった。
友部正人のように大阪に行くのもありかな。




