
Puok読書室
@kochisa
2025年3月23日

何もかも憂鬱な夜に
中村文則
読書記録25-3
施設で育ち刑務官の職を務める主人公
担当する未決囚の若い男性は死刑を迎えようとしているが、そこには語られていない隠された事があるのか?
読んでいる間中ずっと憂鬱な闇に呑み込まれているようだった
「僕は人を殺した男で、そのような人間が、本を読んでいいのか-どのような人間でも、芸術に触れる権利はあると主任は言ってくれた」p184
終盤に記されるこの言葉と作中に登場するバッハの音楽になんとか救われた気持ち
重大犯罪と死刑制度を描く、暗い霧の中を彷徨うような作品





