深冬
@mifuyu_1202
1900年1月1日
悲しみよ こんにちは
フランソワーズ・サガン,
Francoise Sagan,
河野万里子
読み終わった
読了後の感想
この本と中学生の頃にでも出会っていたら、人生がもっと違うものになっていたかもしれない一冊だった。
最初は訳本ということもあり、また古い本でもあるため読み慣れるまで少し時間がかかったが、面白い本というのは共通して文章に引き込まれる何かがある。この本も御多分に洩れずそうだった。最初こそ古いフィルム映画を見ているような気分だったのに、どんどん主人公、セシルの感情が伝わってくる。同調ではなく、共感。かつて感じたモラトリアムの中で溺れそうなあの感覚、波に身を任せてしまっていたあの頃の自分と重ねさえした。
十代が描いたからこその生々しい心理描写と、息遣いさえ想像できる情景描写。いつしか私も、揺れ動く心を持った1人の人間としてこの物語と向き合っていた。
やがて舞台の幕が降りた時、私は本を閉じそっと瞼を下ろした。
後悔というにはあまりに利己的で、追憶と名づけるにはまだ尚早な、剥き出しの感情がただそこにあった。
悲しみよ、こんにちは。