
さくら🌸
@lily_sakura_
2026年6月9日
猫と罰
宇津木健太郎
読み終わった
夏目漱石の飼い猫であり、あの『吾輩は猫である』の猫のモデルとなったクロ。漱石だけでなく、あらゆる文豪の元飼い猫が登場する。文豪×猫ってどうしてこんなに相性がいいのか。「物語を紡ぐ」という行為の奥深さ、そして神秘さを感じる話だった。人間の想像力や創造力に、限界なんてないのかもしれない。序盤はなかなか恵梨香や北斗堂の猫たちに心を開かないクロにやきもきしたけど、クロのこれまでの猫生を知るうちに、身勝手な人間たちに翻弄されてそりゃ信じたくなくなるわと思った。恵梨香も「魔女」と呼ばれる割にはよく泣くし、人間味があってかわいらしい。途中途中で辛くて切ない描写があった。西洋の諺「猫に九生あり」とはよく言ったものだな。猫って確かに、100万回とは言わずとも、九回くらいは生まれ変わってそうな目をしてる子、いるもんな。家には猫はおらず犬がいるけど、絶対に幸せにしてやるからな…という気持ちになった。
「あの癇癪持ちとの思い出はまだ己の中で息をしている……そういうことにしておけば、一つの物語の結びとして格好がつくだろう。」(p.291)


