わたる "禁色" 1900年1月1日

禁色
禁色
三島由紀夫
女のもつ性的魅力、媚態の本能、あらゆる性的牽引の才能は、女の無能であることの証拠である。有用なものは媚態を要しない。 なるほど、その通りだと思った。私は諂いでしか尊重され得ない。甘い声で首を傾け庇護欲を引き摺り出す。自分が男だったらどうだろう。きっとそれはとても生きにくく、女を妬ましく、それでいて媚びない己の精神性を貴んでいたかもしれない。そのうちこの磁力は失われる。ただ、私は今まで守られるべき女子としか扱われたことがない。それ以外の生きる術を知らない。恐ろしくて仕方がない。今後確実に訪れる老いが責任が。
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