
Unununium
@Unununium_111
2026年6月10日

熊の場所
舞城王太郎
読み終わった
先月読んだ「君のクイズ」で本作が登場しており、そこから気になって手に取ってみた。
匂いや温度、空気感を肌で感じられて、没入するというよりも迷い込んでしまうという感覚に近い読書体験ができた作品!
表題作を含めた短編3集で、どれも読みやすく現代の口語体で展開するのに、どこか純文学みもあって個人的には好きな作品だった。
これで私も「戻るべき恐怖の場所」を表現する時には「熊の場所」という言葉を使えるかな笑
【以下、ネタバレ注意】
・熊の場所
本文中に登場する…
『この大きな恐怖を、僕は何とかしなくてはいけない。このまま抱えて今日と明日とあさってを迎えてはいけない。……』
『恐怖を消し去るには、その源の場所に、すぐに戻らねばならない。』
…という言葉通りに恐怖と対峙していく様子に凄く引き込まれた。まるでその場に自分がいるかのように一番感じれた作品で好きな話だったが、ラストのホラーっぽい不思議現象がでてくる点は個人的にはあまり納得感がなかった。
また、『……死に物狂いでやってて気迫が足りないくらいなら死んだ方がマシだろう。そっちの方がずっとマシだろう。』という言葉も刺さった。
・バット男
誰にも共感できないのに、全員の心情が凄く理解できる。自分の周りで同様のことを経験したことがないのに、近い感覚は知っている気がする。そんな感覚にさせられた作品。神の考え方や『多神教を取り戻せ』という箇所は同意。
・ピコーン!
かなり直接的で下卑た卑猥な表現が多数でるので、 読むのが少し辛かったが、主人公の性格や恋人の死の真相を推理していくストーリーの流れやその後の心の動きという点は好きな作品。





