エピローグ "トラペジウム" 1900年1月1日

トラペジウム
トラペジウム
高山一実
東ゆうはアイドルになりたかった。 オーディション番組は全て落ちたので自分でアイドルグループを作ろうと思った。 『東』『西』『南』『北』の名前がつく高校から随一の美少女を集めてアイドルグループを作る。 夢に向かって突っ走る主人公と巻き込まれていく登場人物たち。 フィクションであれば主人公と交流していくうちに、周囲の少女達もアイドルになりたいと思考変容していくのが相場だが本作は違う。 主人公や他の誰かのために"しぶしぶ“アイドルとして活動していくのだ。 夢の為と少女に近づき戦略的に友達になる主人公と、主人公の持つパワーに惹かれて交流を重ねていく登場人物の関係性の対比、そしてその結末のバランスが非常に軽やかな作品だった。 また小説の本筋とは異なるがグループ間の人気格差(ブログのコメント数)等の表現が見受けられる一方で、具体的なファンの描写には一切言及していないところが流石だと感じた。 元 乃木坂46の高山一実さんがグループ在籍中に執筆された1冊。 1期生としての下積み時代、握手会での交流を振り返れば、作品に取り込めるファンとの交流は数多く経験していると想定される。 だがしかし、今回の作品では意図的に取り上げなかったのではないかと解釈している。 アイドルになるという夢を叶えた彼女は、何を感じて物語を構想したのだろうか。 ........... 『私は、状況が変わるのを待っていた。しかしそんな日など待っていても訪れないのではないか。変わりたい、そう思った日から自分はこんなにも変わっているというのに。視聴率が8パーセントの番組に出て、仮に800万人が自分のことを見てくれたとしても、800万人がそれを忘れてしまっては何も残らない。』
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