
エピローグ
@yuki-books-
本当に文字はすごいんです
あれが使えると、時間と場所を超越できる
200年前の情報に涙が流れることも、千年前の噂話で笑うこともある
そんなの信じられますか?
私達の人生は、どうしようもなくこの時代に閉じ込められてる
だけど文字を読む時だけは、かつていた偉人達が私に向かって口を開いてくれる
その一瞬、この時代から抜け出せる
文字になった思考はこの世に残って、ずっと未来の誰かを動かすことだってある
そんなのまるで…奇蹟じゃないですか
- 2026年6月10日
推し、燃ゆ (河出文庫)宇佐見りん読み終わった感想@ カフェ主人公は推しを生き甲斐としていた。 友達や家族との会話は推しの話ばかり、推しの事ばかりを考えているので勉強は身が入らず、アルバイトにも集中できない。 推しに変化があればアルバイトや学校を休み、それでも周囲から許される。 推しを追いかける事だけで、自分の生きづらさから逃避していたようにも見受けられた。 そんな生活の中で推しが炎上してしまったら... 推しに限らず、誰かを心の支えにすることは前向きに捉えらえがちだが、果たしてそうだろうか。 "あなたが居るから頑張れる" と "あなたが居ないと頑張れない" では全く意味合いが異なる。 誰かを生き甲斐にするということは 苦痛の緩和、所謂『依存』の始まりともいえる。 一方、自分で自分を支配するにはとんでもない労力が必要となるのだ。 だから皆、他者を生き甲斐として生きていくのだと思う。 ........... 『推しは脊骨。這いつくばりながら、これがあたしの生きる姿勢だと思う。』 - 2026年6月10日
コンビニ人間 (文春文庫)村田沙耶香読み終わった感想普通がわからないから皆を真似て、皆が喜ぶ行為を選択する。恵子は普通ではない"感性"を持つ人間として物語が進んでいくが、果たしてこれは異常だろうか? 皆、大なり小なり相手の求めている『私像』を演じながら生きているのではないだろうか。 普通とは何か、私らしさとは何かを迷いながら生きていく。知らずのうちに周囲の影響を受けている。それは当たり前のことではないだろうか。 恵子と白羽はいずれも社会に適合できていない存在として描かれているが、この2人の考え方もまた異なる。 自分の立場を自覚できないものの、周囲の求める行動を取ろうと取り繕う恵子。 自分の立場を受け入れられず、周囲の求める理想像から現実逃避し、行動を変えられない白羽。 2人とも世間から浮いてる存在、小説の言葉を借りると『異物』として登場するが、似て非なる存在として多様性を示唆する歪んだ鏡ともいえる。 36歳、未婚、コンビニアルバイトという属性は果たして『普通でない』と捉えられるのか。 人生におけるマニュアルとして、大学を出て就職して結婚して子供を産む。それが出来ないと『何故?』と理由を聞かれる。理由に応えられなければ『変わってる』と判断される。『変わってる』と判断されれば排除されてしまう。だからマニュアルに沿って生きていく。 これは小説の中の話だけでない。 多様性を認めるべきと叫ばれる中、多様性が認められない現実がある令和にこそ読みたい一冊だと感じた。 ........... 『皆が不思議がる部分を、自分の人生から消去していく。それが治るということなのかもしれない。ここ二週間で14回、「何で結婚しないの?」と言われた。「何でアルバイトなの?」は12回だ。とりあえず、いわれた回数が多いものから消去していってみようと思った。』 - 2026年6月6日
漫才過剰考察令和ロマン・高比良くるま読み終わった学び!感想@ カフェ私はM1が好きだ。 学生時代から毎年欠かさず見続けている恒例行事の1つとも言える。 今年はレベルが高い、このネタが面白かった、特徴的なワードに関しては翌年流行語大賞にノミネートされたりする。 令和ロマンをはじめて準決勝で見た時、衝撃だった。『優勝するだろうな』と思ったが本当に優勝してしまった。 王者が2年連組で出場すると聞いた時は耳を疑った。あれ以上のネタは無理だろうなとも思った。 だがそんな予想とは裏腹にまたもや優勝してしまった。 何故令和ロマンが優勝できたのか。 お笑いの、漫才の、M1の戦略とは、インテリ漫才とは何かに触れることができる1冊である。 高比良くるまの思考で漫才を、世の中を見てみたい。 ........... 『とにかく今年を"最高の決勝"にしたいんです。楽しむはずの客席に学問を与えたら教室に変わっちゃうだろうが。』 - 1900年1月1日
トラペジウム高山一実読み終わった感想@ カフェ東ゆうはアイドルになりたかった。 オーディション番組は全て落ちたので自分でアイドルグループを作ろうと思った。 『東』『西』『南』『北』の名前がつく高校から随一の美少女を集めてアイドルグループを作る。 夢に向かって突っ走る主人公と巻き込まれていく登場人物たち。 フィクションであれば主人公と交流していくうちに、周囲の少女達もアイドルになりたいと思考変容していくのが相場だが本作は違う。 主人公や他の誰かのために"しぶしぶ“アイドルとして活動していくのだ。 夢の為と少女に近づき戦略的に友達になる主人公と、主人公の持つパワーに惹かれて交流を重ねていく登場人物の関係性の対比、そしてその結末のバランスが非常に軽やかな作品だった。 また小説の本筋とは異なるがグループ間の人気格差(ブログのコメント数)等の表現が見受けられる一方で、具体的なファンの描写には一切言及していないところが流石だと感じた。 元 乃木坂46の高山一実さんがグループ在籍中に執筆された1冊。 1期生としての下積み時代、握手会での交流を振り返れば、作品に取り込めるファンとの交流は数多く経験していると想定される。 だがしかし、今回の作品では意図的に取り上げなかったのではないかと解釈している。 アイドルになるという夢を叶えた彼女は、何を感じて物語を構想したのだろうか。 ........... 『私は、状況が変わるのを待っていた。しかしそんな日など待っていても訪れないのではないか。変わりたい、そう思った日から自分はこんなにも変わっているというのに。視聴率が8パーセントの番組に出て、仮に800万人が自分のことを見てくれたとしても、800万人がそれを忘れてしまっては何も残らない。』
読み込み中...