夕灯
@yuuhi
2026年6月10日

読み終わった
再読
読了 26.06.11
開始直後のエピソードから、もう今にも消えてしまいそうな少女の雰囲気にあふれている。物語のいく先よりも何よりも、少女の眼差しに耽溺することを望みたくなるのはどういうことだろう。
ずっと変わらないようでいながらも、少しずつ心を震わせる砂緒さんは危うく、しかしその周囲には優しさが潜んでいる。
物語を騒がせるかと思われた人物たちが、やがては皆二人のために思いを寄せてくれるのが温かくて涙が出た。
私はまだ、こうした物語を全部綺麗事だと冷笑してしまう精神性から逃れられていない。そのくせ、こういうものに憧れて欲してやまなくて、なのに嫉妬の気持ちも湧いては来ない。ただ、「綺麗事だ、現実にはそぐわない」と感じて疑うこともできず、自分が「これはきれいだ」と思った感性を自分で否定しては苦しむ日々を続けている。昔はそうじゃなかったのに。
きれいなものをがむしゃらに信じてやまない純粋さを取り戻したい。この物語のように優しくありたいと願い、こうした物語を求めている。