プールに降る雨 "野生の棕櫚" 2026年6月10日

野生の棕櫚
野生の棕櫚
フォークナー,
加島祥造
感覚器官でとらえられる事象と登場人物の心理をすべて言葉にしようとする執拗な描写はフォークナーらしく、最近読んだボルヘスとは対照的だなあと思っていたら巻末掲載の野谷文昭氏のエッセイに、ボルヘスはフォークナーについて、「感服」すべき作家だとはいっているが、好きではなかったんじゃないのみたいなことが書かれていて、まあそうかもという感じだった。 また、訳者の解説によると、「野生の棕櫚」と「オールド・マン」というふたつの物語が交互に描かれる構成について、フォークナー自身が、「野生の棕櫚」で足りないところを「オールド・マン」で補った、「オールド・マン」は背景的効果があればよく登場人物はそれほど重要ではないと語っているらしく、そんな小説の書き方あるのかよと思った。しかも、研究家がタイプ原稿を調べたらふたつの物語を本当に交互に書いていたらしい。変な人だ。
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