
読書日和
@miou-books
2025年3月24日

世界の使い方
ティエリ・ヴェルネ,
ニコラ・ブーヴィエ,
Nicolas Bouvier,
Thierry Vernet,
下田昌克,
山田浩之
読み終わった
デゼラブル「傷ついた世界の歩き方」が新聞の書評で取り上げられていて、読み始めたところ、著者はニコラ・ブーヴィエの旅行記を読んだことがきっかけでイランを旅しようと思い立った事がわかり。それならその旅行記、「世界の使い方」を読んでみたい!と思って読んでみました。
500ページを超える長編旅行記!
1953年、24歳のブーヴィエはおんぼろのフィアットで1年半の旅に出る。スイスのジュネーヴを発ち、旧ユーゴスラビア、トルコ、イラン、ソ連、パキスタン、カイバル峠を経てアフガニスタンへ。
そこで相棒のティエリと別れ、この本の旅行記はここまで。
ブーヴィエ自身は一人でセイロン(スリランカ)、日本へと旅を続ける。
ブーヴィエが旅行をしていた時期は、ユーゴスラビアは分裂前、チトー政権下の共産主義国としてはまだ歴史の浅い国。アゼルバイジャンは旧ソ連、イランはイスラム革命前のパフラヴィー朝、アフガニスタンはロシアからもイギリスからも独立していた。
冷戦が本格化する中、今ではもう存在しない国を旅した彼らを思うと羨ましく感じる。
この本自体は、旅行から10年後の1963年に自費出版されているので、当初の記憶や感じ方、目的と少し変わっているかもだけど、タフで柔軟な旅(宿代浮かすために刑務所に泊まったり)を繰り広げ、自分の価値観を押し付けずに現地の人たちと交流していく姿が好ましい。
文中に出てくる、トルコ、ハイダルパシャ駅の列車、
行き先が「バグダッド」だったり、「ベイルート」だったり。
今はハイダルパシャ駅も稼働しておらずで、ここにも旅情くすぐられたり。
長く冬を過ごしたイランでの星、そして詩の引用も素敵でした。
この本を読みながら、#ファンボルム さんの#毎日読みます を読み始めたら、最初の方にこの本が取り上げられていて嬉しくなってしまった☺️
珍しく長めに記録