
一世
@seedo81
2025年3月24日

企業文化をデザインする
冨田憲二
読み終わった
読了。
「企業にとって企業風土(カルチャー)が新たな資産になりつつある。しかし、その価値は 見えにくく、即効性があるわけでもないため、明確に言語化されていない という課題がある。」
本書は、この問題に向き合い、企業文化をどのようにデザインし、経営資源として活用するか を探る一冊です。
著者の冨田憲二氏は、スマートニュースをはじめ、複数のベンチャー企業でHR(人事)を務めてきた経験を持つ。その実務経験をもとに、企業文化の構築と維持の具体的な方法論を提示しています。
また、企業文化の形成において 「体現者」と同じくらい「愛を叫ぶ人」が重要 という考え方にも共感しました。文化を築くのはトップやリーダー層だけでなく、それを積極的に支持し、社内外に伝播していく「文化の伝道者」の存在が欠かせない、という視点です。
本書ではかなりの比重が「ミッション・ビジョン・バリュー」で言うところの「バリューをいかに組織内に浸透させ、共有し、持続可能な形で育てていくか」 という点に焦点が当てられています。そのため、単なる理念策定ではなく、文化を実践レベルで機能させるための具体的な指針についてのヒントが得られるのがグッドポイントです。
企業カルチャーの構築論は抽象的になりがちですが、本書は その課題に対して実践的なガイダンスを提供している という点で面白い本でした。
● 企業文化をデザインする(冨田憲二、2023年、日本実業出版社)

