
伍エ捫
@Goemon_VS
2026年6月13日

聖なる黒夜
柴田よしき
かつて読んだ
BLに興味を抱くきっかけとなった作品。
捜査一課に属する刑事の主人公・麻生と、麻生に逮捕されたことがきっかけで裏社会の人間となった山内の錯綜した関係が大好き。
子供っぽいところのある山内と、鈍感で相手に対して単刀直入に切り込む麻生のやりとりが読んでいて楽しい。双方が相手に対して「しょうがない奴だな」って呆れてるのがいい。
久々に再会した山内の変貌ぶりに驚きと違和感を覚え、事件の捜査と並行して山内の過去を探っていくうちに、自身が犯してしまった大きな過ちと、ずっと抑えていた気持ちに麻生が気付いていく。
この一連の流れにおける2人の心の機微が細やかに描かれていて、人と人との関係性を見るのが大好きな自分に物凄く刺さった。
自身を深い闇に突き落とした麻生を殺したいほど憎んでいながらも、10年前、取調室で顔を合わせているうちに抱いてしまった恋心を捨てられずにずっと抱えている。そんな、相反する複雑な感情を抱えている山内が、とても人間くさくて愛おしい。
作中では山内が男と致している描写が何度も出てくるけど、それに至るまでの経緯、今作で言うとそこに堕ちるまでの経緯と山内の心情がしっかり描かれているから、いやらしさは全く感じなかった。男でも抵抗なく読めた。
話の本筋である暴力団幹部殺害事件の謎解きも楽しめる、ヒューマンドラマとしてミステリーとしても素晴らしい作品。
この作品のおかげで嗜好が広がり、今に至るまで素敵な作品にたくさん出会えてきた。
小説にハマるきっかけを与えてくれたことといい、柴田よしきさんへの感謝の念に堪えない。