木村久佳 "Yの悲劇" 2026年6月14日

木村久佳
木村久佳
@kuCCakimura
2026年6月14日
Yの悲劇
Yの悲劇
エラリー・クイーン,
越前敏弥
しんどい読書(ネガティブな意味ではない)続きの中、ちょっと一息つきたい時にちょこまかと手に取って読み進めました。読んだ気がしてたけど勘違いだったかも。初読の感動がありました。ミステリーとは描かれた内容、事情、証拠、ありとあらゆるものがパズルのピースみたいにカチリカチリとハマって、最後の結論を導くものという先入観を逆手に取り、ありえない事情がわざと散りばめられていることでミスリードのように作用していく。でもそれはミスリードではなくて、確実にパズルのピースであった。正直、Yの悲劇は名作中の名作と言われるだけって、私はこのトリックを真似したんだろうという後世の作品に先に出会ってしまっており、Yの悲劇から入った人よりかは感動が薄いのかもしれない。そんな私にもこの結末に衝撃が走るのだから、それが名作たる所以なのかもしれないとひっそり感じたのであります。 惜しむべくは最後のクイーンの決断でしょうか。ここは意見が分かれるところなんでしょうけども、ジャッキーの置かれた環境がジャッキーのせいにされてしまうから彼を逮捕させなかった、というクイーンの考えに沿うならば、クイーンこそ逮捕されてしかるべきだったのでは? 無邪気であるがゆえに絶対的な悪を世から追放した者が野放しになるのはちょっとなあ。ホームズもポワロも死にましたからね。無論ホームズは生き返りましたが。この点はZの悲劇やレーン最後の事件に描かれるんでしょうか? この2作はまったくの初読なので読むのが楽しみです。 もちろんこれはクイーンがジャッキーを死に至らしめたという結論のもとで、そうであるかは作中からは推察の域を出ないのですけれど。 本とは全く関係ないですが、悲劇シリーズの装丁はシンプルなのに凝っていてとても好きです。最近のKADOKAWAレーベルのほとんどがコミックやラノベに注力しているからか角川文庫系もコミックっぽい表紙になってることが多い気がしますし、それもまた惹かれるものがあって良いんですが(クイーンの国名シリーズもそうだったかもしんない)、昔の角川文庫の装丁はシンプルイズベストでそれもまた素敵でした。
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