
フタバ
@furoba
2026年6月16日
たゆたえども沈まず
原田マハ
読み終わった
とても胸がいっぱいです。
今日本でフィンセントの絵を見たい人間がいっぱいいることがなんだかとても嬉しく思います。
たゆたえども沈まずということばは、セーヌ川の、パリという街の象徴となることばとして作中でも出てきますが、きっとファン・ゴッホ兄弟にとっても林忠正にとっても重吉にとってもそしてこれを読んだ、彼らの生きた時代の100年以上あとを生きる私にとっても辛いことを受け止めてそして受け流してくれるような心の支えとなるようなことばとして、じんわりと胸に染み渡りました。
私自身は、有名だから、誰かが良いというから、なんとなくオシャレだからという、作中に出てくるテオの上司やブルジョワジーの客や物語の終盤で林忠正が語るような海外かぶれの日本人と同じ理由で、ゴッホっていいなーとぼんやり思って彼の絵が描かれた雑貨をいくつか持っているような人間でした。
しかし、彼の作品はもがき苦しみ命を削り描かれたものだと知ると鮮やかな色彩や筆のゆらめきにもより深みを感じるようになり、今までなんて浅いところで彼の絵を見てきたんだろうと申し訳ない気持ちになりました。そして、史実的にも彼らの生き様を知っていきたいと思いました。
時代や場所、国籍が違えども、絵や美という抽象的なものによって繋がるこの不思議で暖かな感覚を、フィクションと美しい文章で伝えてくれた原田マハ先生には感謝したいです。



