浸る
@rattatatatat
2026年6月17日

つげ義春が夢見た、ひなびた温泉の甘美な世界
マキエマキ,
岩本薫,
つげ義春
読了
つげ義春はなぜ時代に取り残されたようなひなびた湯治場や温泉地を巡り、その前近代的な景色を写真やペン画にして残したのか。
そこには彼の蒸発願望があった。つげ義春には、「奇跡の2年間」と呼ばれる、名作が次々と生み出された期間がある。その「奇跡の2年間」は彼の蒸発の決行によって唐突に幕を閉じてしまう。
この本では、そのつげ義春の世捨て願望がどのように醸成され、実行されるに至ったか、またその顛末について考察している。
興味深いのは、彼が蒸発を決行した1968年ごろ「蒸発」がある意味社会現象でもあったということ。空前絶後の高度成長期であった日本の裏面には、そんなモーレツなムードから離脱する者もまた多くいたのだ。