
amy
@note_1581
2025年3月25日

読み終わった
感想
2025/03/11
読み始めた〜
2025/03/24
読み終わった〜
わー、おもしろかった!2001年刊行で今から24年、約四半世紀も前の本なのですが、今いろいろと言われている有害な男性性や「男らしさから降りる」こと、男らしさがどのように作られるかを歴史的アプローチ、性教育、父親不在、マスメディア、スポーツ、同性愛嫌悪(ホモソーシャル)から丁寧に紐解いていて、このころからこんなに言われていたのかよ!全然変わってなくない!?と衝撃を受けつつ、どれだけ本邦が男性から"人間性"を奪ってきたのかを書いている。
たしかに現在言われているようなことではあるのだけど、今ここで再度この本を読んで、本邦に蔓延っているジェンダー問題がどう絡み合っているのか、その原因はどこにあるのかを冷静に知るにはとてもよい本だった。編者に当事者である男性が多いのもいい。
読んでてこれは大事だなと思うポイントはたくさんあったのだけど、なかでも特に気になったところを2つほど。"「男らしさ」は社会的に作られてきたイデオロギーであり、男たちがかかわる社会的システムから注入されることで男がつくられてきたのです。"というところと”女性らしさからの解放がいわば自己実現であるのに対して、男らしさからの解放はまず男性自身が本当の自分と出会うための自己解体の作業でもある。自己解体を通して新しい男の再形成へと進むことが現代的な課題であるのです。"というところだった。
社会から注入されたものを自らの手で解体していかなければ、この男の呪縛からは逃れることができない。勝手に付与されたものを自己否定を含めた解体作業で痛みを伴って再形成しなければならない。
男性が男らしさを手放すことの難しさがすっと理解できたし、かといってやらなくてもいいのかと言えばもちろんそんなことはない。女性も男性もそうでない人も、社会から押し付けられたものを取っ払ってもっと呼吸がしやすくなればいいと思う。
残念ながら出版社がもうなくなっているっぽいので読むならなんとか古本を探すか、図書館が手っ取り早いと思う




